北京五輪 メダルの可能性が高い日本人選手をリストアップ 前回大会13個を上回る期待
ネイサン・チェンが優位と見られるが……
そしてもちろん、史上初の3連覇がかかるフィギュア男子シングルの羽生結弦。怪我で心配されたが、12月の全日本選手権に優勝し、不安を吹き飛ばす見事な演技を披露した。長年のライバルであるネイサン・チェンが優位との見方が強いが、何かしでかす男・羽生が持ち前の勝負強さで劇的な勝利をものにする可能性を多くのファンが期待していることだろう。宇野昌磨、鍵山優真も伸び伸びと演技できれば十分にチャンスがある。
こうして挙げただけでも、最多なら10個の金メダルを獲得しても驚きはしない。多くの日本選手たちが、多種目でそれだけの実力と実績を積み上げている。
ただ、天候などの自然環境に大きな影響を受けるのが冬の競技の宿命だ。本命と呼ばれる選手が不運に泣き、伏兵が強運に恵まれるのがまた冬季五輪の難しいところ。運を味方にできるか、苦境にも負けず力を発揮できるかも見守りたい。
渡部暁斗は「3度目の正直」
さらに、金メダル候補とは言えないまでも、銀メダル、銅メダル獲得の期待を担う競技はほかにも多数ある。
楽しみなのは、カーリング女子だ。前回は3位決定戦を制し、銅メダルを獲得したが、今回は決勝進出、そしてもっと良い色のメダルを目指して挑む。10チームの総当たりの1次リーグは2月10日に始まる。上位4チームが決勝トーナメントに進み、準決勝は2月18日。決勝は大会最終日の2月20日だ。
2大会連続で銀メダルに輝いているノルディック複合の渡部暁斗は「3度目の正直」を狙う。しかし、2度とも渡部を阻んでいる王者エリック・フレンツェル(ドイツ)に加え、新星ヤールマグヌス・リーベル(ノルウェー)も台頭してきている。渡部にとってはいっそう厳しいレースになるだろう。
スピードスケートは、女子ばかりでなく男子にも勢いがある。500メートルでは新浜立也、森重航、村上右磨の3選手がいずれも表彰台を狙っている。さらに、伏兵がメダルを獲る可能性が高い冬季五輪という観点から言えば、レース展開によって勝敗が大きく左右されるスピードスケートのショート・トラックは、過去に日本がしばしば金メダルを獲っている。今回もリレーを含め、期待大だ。
ソチ五輪で銀メダルを獲った女子パラレル大回転の竹内智香は38歳で6度目の出場。技術に加え、駆け引きや勝負勘がものをいうこの競技で、強豪たちを次々に破って勝ち上がる光景を見たいものだ。ソチ以来のメダル獲得も夢ではない。
こうして挙げていくと、史上最多20個以上のメダルを獲っても不思議ではない。怖いのは天候不順に加え、コロナ禍の影響だろう。毎日のPCR検査で陽性反応が出れば、出場を断念せざるをえない可能性が高い。全選手が、無事に競技に出場できることをまずは祈りたい。
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