盛り上がらない北京五輪 テレビ局が開会式直前でも“五輪ネタ”を扱いにくいワケ

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東京五輪のトラウマ

 確かに今回は極端に情報がないのだ。民放ディレクターに聞いた。

「昨年夏に開催された東京五輪も、新型コロナの感染が拡大中だったことや、開催が1年延期したこともあって、各局の対応が遅れました。北京五輪はそれ以上に情報が少ないと思います」

 昨年の夏はコロナ報道一色で、五輪開催に反対する報道まであった。にもかかわらず、開催直前になって“応援モード”にシフトしたことが批判された。

「自国開催ということもあって、国民の関心は高かった。とはいえ、テレビでは『コロナなのに大丈夫か?』『再延期か?』などとネガティブな情報を取り上げておきながら、直前になって東京五輪特集に切り替えた。そのため掌返しと批判されたわけです。今回の北京には、そのトラウマがある。さらに、オミクロン株により過去最多の感染者が出るなど、コロナネタを最優先せざるを得ません。どうしてもオリンピックネタはやりにくい状況なんです」

 冬季五輪の場合、通常ならいつ頃から応援モードに入るのだろう。

「開幕の2週間前くらいには番組スタッフも現地入りし、1週間前にはオリンピックコーナーを立ち上げるものです。しかし今回は、そんな感じじゃないですね」

 北京五輪は4日に開会式が行われる。こんな調子で盛り上がるのか。

メダリストさえ誕生すれば

「東京五輪の時も始まるまでは半信半疑でした。ところがフタを開ければ、7月23日の『開会式』(NHK総合)は世帯視聴率が56・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)、個人視聴率も40・0%と驚異的な数字を取ったことで、テレビ業界は胸をなで下ろしました。その経験を踏まえ、大会前に北京五輪推しをするのはやめておこうということです。東京五輪よりもさらに、個々の選手にスポットを当てるのは控えめにして、必要以上に煽らないことを意識しているのです」

 日本人が活躍すれば、数字は上がる?

「メダリストが誕生すれば大丈夫ですよ。情報番組も競技映像を使用してたっぷり紹介するでしょう。コロナ禍とはいえ開幕さえすれば、翌日の競技も堂々と特集できます。視聴者も見たい、知りたい気分になるはずです。視聴率も期待できます」

 前述のラジオで有吉はこうも語っていた。

有吉:今、みんな冷めた感じで、クールに決めてるじゃん。でも(五輪が)始まったら大興奮して泣いちゃうんだよ。

デイリー新潮編集部

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