北京五輪に橋本聖子氏出席の重要な意味…対韓・対中外交は岸田と安倍の違いを図るリトマス試験紙

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22年の日中関係を占うキーワード

 なお、今年の日中関係を占う上では、三つのキーワードがある。

 先に述べた北京オリンピック、中国共産党大会、日中国交正常化50周年だ。5年に一度の中国共産党大会は今年の秋に開かれる。中国人民解放軍の中には、アメリカ、日本何するものぞという若手将校が現れていて、習近平国家主席の強硬外交は、彼らに支えられているとの指摘も聞いている。

 また国交正常化についても、周年のお祭りムードからは程遠い。40周年の2012年は日本による尖閣諸島の国有化に中国が猛反発し、むしろ関係は冷え込んだ。そして50周年の今年も、香港や新疆の現状を見ている日本人の対中感情を考えれば、中華街ぐらいでしか飾り提灯をぶら下げる気にはなれないだろう。

「外交は内政の延長」という言葉がある。対中国、対韓国外交はこれから一年間、岸田と安倍の違いを際立たせるリトマス試験紙になるだろう。たとえば、50周年を迎える秋に、岸田は自ら中国を訪問するかもしれないし、中国から習近平など高官を招こうとするかもしれない。日中の経済関係は進めたいが政治関係の蜜月を望まない安倍は、佐渡の金山遺跡と同じように反対するだろう。すべてはコロナ次第のところもあるが、岸田と安倍のさや当ては夏に行われる参院選以降ますます激しくなるに違いない。

武田一顕(たけだ・かずあき)
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。

デイリー新潮編集部

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