3度の「結婚、不倫、離婚」で今は独身… 48歳男性を惑わす“サイショウドウキョ”の家庭環境

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子どもをもち、生まれ変われるのか…

 しょせん、自分は結婚向きではないんだろうと直樹さんは諦めがついた。ところが諦めきれなかったのは真菜さんだ。それならと彼は30歳のとき真菜さんと結婚した。

「結婚してもしなくてもどっちでもいいやという感じでしたね。人生を投げているわけではないんです。仕事はちゃんとしてましたよ。ただ、どうも人と一緒に暮らすと、その人のペースに合わせなければいけないんじゃないかとか、いろいろ考えて疲れてしまうんです」

 真菜さんと暮らし始めてすぐ、妊娠が発覚。それを知った直樹さんは、気持ちが入れ替わるようだったという。

「あんな育ち方をした僕に子どもができる。そのとき、変な言い方ですが、生まれ変わることができるのかなと思ったんです。産まれた長男はかわいかった。1日見ないと驚くほど成長している。おもしろいなあと思いましたね。この子のためなら何でもできる、と世間的な価値観が理解できました。そうなるとまあ、どうしても自分の親のことを考えてしまいましたが、そこにはもうとらわれないようにしようと思うしかなかった。自分では解決できない問題ですから」

 ところが長男が2歳のとき、彼は転勤となる。単身赴任は3年続き、現地に親しくなった女性ができ、それが真菜さんにバレてまたも離婚。以来、養育費は振り込んでいるが息子とは会っていない。真菜さんに「絶対に会わせない」と言われたからだ。

「親との関係について整理がついていない自分が、親になってしまったのがいけなかったんだと思いました。もう結婚はしないと決めていたんです」

しかし3度目の結婚

 それなのに40歳で3度目の結婚をしたのは、「父が死んだから」だという。“おばちゃん”から連絡を受けて病院に駆けつけると、父はすでに息絶えていた。

「おばちゃんから、自分が死んでも直樹には連絡するなと言っていたと聞かされました。『あんたのことはいつも話してた。悪いことしたなあって言ってた』と聞いて、僕はなぜ父を避け続けていたのか、自分の人生を父のせいにしすぎていたのではないのかと反省したんです。何も考えずに人生をやり直そう。素直にそう思いました」

 ちょうど人生折り返し地点だ。ところがそのころつきあっていた2歳年上の彩子さんは既婚者だった。

「離婚してほしい、結婚しようと言ったら、『そんなつもりはない』とフラれまして(笑)。街コンみたいなのに参加して、そこで知り合った3歳年下の女性とつきあって半年で結婚しました。僕が結婚したとわかったとたん、彩子がよりを戻そうと言ってきて。1年くらいは拒絶していたんですよ。だけどあるとき、彩子は捨て身の作戦で『あなたとよりが戻らないなら、私は死ぬ』と言い出した。嘘だとわかっていても放置できない。それでまた関係をもってしまったんです」

 話していてわかったけど、僕、意志が弱いですよね。というか自分の意志がないんですよねと、直樹さんは愚痴るようにつぶやいた。こうやってふと自分の弱さをさらけ出すところが女心をくすぐるのかもしれない。女性が強気に出たら断らないだろうという雰囲気が、ありありなのだ。

「女性に頼りたいと思うときもあれば、どうせ自分の思い通りにはならないから、あまり深く関わらないでおこうと思うときもあって。意志がないというか、女性に引きずられるのが心地いいというか。僕、自分から別れたいと言ったことはないんです。いつも愛想を尽かされる。愛想を尽かされてホッとする」

 自分には愛される資格がないと思い込んでいるのだろうか。いや、そもそも「愛」がよくわからないのだと直樹さんは困ったように笑った。

 結局3度目の結婚も、彩子さんとつきあっていることが妻にバレて、3年ともたずに「逃げられた」のだという。すべて不倫が原因での離婚。しかも彼は相手を引き止めていない。

「離婚だと言われたらそれまでですよね。人に対する執着がないし、執着しても無駄だとわかっている」

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