雪印「国産牛偽装」告発から20年 西宮冷蔵社長のいま 「13億円の負債は少しずつ返しています」
「私どもの知るところ、これはオーストラリアの牛肉でございます」。
20年前の2002年1月23日。兵庫県西宮市の埋め立て地にある老舗の倉庫業「西宮冷蔵」で社員服を着た小柄な男性が記者たちを冷凍倉庫に集め、積み上げた国産牛用の箱を開いて説明していた。
男性は当時48歳の水谷洋一社長(68)。この「爆弾会見」で日本中が大騒ぎになった。
その頃、BSE(牛海綿状脳症、通称:狂牛病)と呼ばれた奇病が世を震撼させていた。前年の9月、国産の牛肉にBSEに罹患している牛がいることを発表した農林水産省は、全頭検査前の国産牛肉について、すべて買い上げて焼却処分する方針を取る。...