橋下徹「テレビ大量露出」のウラにある巧妙な戦略とは 政治的中立性を巡り毎日放送が調査
東京都知事の座を狙っている?
元日本テレビ解説委員で上智大学新聞学科教授の水島宏明氏が言う。
「フジテレビは報道において公平性に気を付ける意識が比較的弱いテレビ局だと思います。他局であれば、橋下さんをレギュラーにはしない、他の共演者でバランスを取るといった措置を講じるでしょう」
先の政界関係者は、
「フジが橋下氏を重用する背景には、今も社内で隠然とした影響力を誇る日枝久元会長の存在がある、という見方があります」
として、こう明かす。
「経営が厳しくなっているフジが今も望みを繋いでいるのが『お台場カジノ構想』。それを推進するために橋下氏を東京都知事にしたい、との思いが日枝元会長にはあるといわれています。橋下氏自身もまんざらでもないらしく、昨年秋、小池百合子都知事の重病説が流れた際には、維新の関係者が病状についてリサーチしていたそうです」
橋下氏のテレビ大量露出の背景に「東京都知事の座」と日枝元会長――。何やらキナ臭い話だが、維新の本拠地である大阪にも、「しがらみ」を感じざるを得ない事実が、表沙汰になることなく眠っていた。
「お世話したことも…」
「2020年7月、大阪市はある会社と『消毒液買入』として約6300万円もの巨額の随意契約を結んでいます。しかし、その会社の社長が維新と親密な関係にある人物だったことから、“何か裏があるのでは”と囁かれてきたのです」(大阪市政関係者)
その会社とは、大阪市に本社がある衛生用品メーカー「サラヤ」。民間調査会社によると、従業員は約1600人、20年10月期の売上高は「コロナ特需」もあってか630億円を超える。社長の更家悠介氏は、「大阪維新の会」を支援するために関西を基盤とする会社経営者約240人が設立した政治団体「経済人・大阪維新の会」の会長を務めている。
「大阪市は『緊急の必要による場合』との理由でサラヤと随意契約を結んでいますが、契約が締結された20年7月はすでに国内での消毒液の大幅な生産が実施されていた時期で、他の業者でも対応可能だったはず。実際、東京都など他自治体では同時期に入札による業者選定を行った事例が多数あります」(同)
当事者である更家社長本人に聞くと、
「随意契約? 随意契約になっているんですか?」
奇妙なことに、社長であるにもかかわらず、6千万円超の契約について把握していない、と言うのだ。
「6千万円も契約していたとは知りませんでした。市との契約自体は会社の担当者がやっているもので、社長である私が実際に出向くわけではありませんから。大阪市が6千万円も使うとは考えにくいけどな……。橋下さんや松井さんをお世話したこともあったけど、何かやってくれなど一言もありませんよ。彼らも私もそういったことは嫌っていますからね」
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