SNSで「芸能人のコロナ感染報道にはうんざり」の声 所属事務所とテレビ局の考えは?

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啓発・啓蒙への期待

 所属するタレントの感染を広報することで、テレビ局などに“注意喚起”を求める思惑も透けて見えるという。

「芸能事務所とテレビ局の間には、様々な力関係が働いています。事務所としては、キー局のスタッフに面と向かって、コロナ対策の文句を言いづらい。そんな場合でも、事務所が公式サイトで『制作現場で、所属タレントの感染が明らかになりました』と広報すれば、『収録現場などでの感染防止策を徹底してください』と暗に言っていることにもなります。芸能事務所が積極的に広報を行っている理由の一つでしょう」(同・川内氏)

 では、なぜ民放各局は芸能務所の発表を報じているのか。川内さんは「視聴者への注意喚起という側面がまず挙げられます」と指摘する。

「毎日、『本日の感染者』の数だけを報じても、視聴者は次第に慣れてしまい、どうしても注目されなくなってしまいます。ところが、有名な芸能人が感染すれば、視聴者は驚き、ニュースに注目してくれます。テレビを見ながら『やっぱりマスクはちゃんと付けないと』とか、『うがいと手洗いを徹底しよう』と再認識してくれる。そんな効果を期待しているのだと思います」

まだまだ今後も……

 その一方で、報道・情報番組における「エンタメコーナー」の事情も関係しているという。

「コロナ禍が続き、芸能ニュースが不足しているのです。特にドラマや超大作の映画、ライブや演劇などの制作状況は、コロナ以前のレベルまでには回復していません。ところが、感染した芸能人の名前を読み上げれば、ニュースとして成立します。“コロナ禍”という世相を伝えるという“大義名分”もあります。おかげで芸能人のコロナ感染が、どんどん報じられるという状況になっているのではないでしょうか」(同・川内氏)

 デイリー新潮は1月14日、「オミクロン株は“コロナ終息のサイン”か 弱毒化の兆候も」との記事を配信した。

 Twitterには《芸能人のコロナ感染報道、いつまで続けるんスかね?》という投稿もある。「同感」と思う人も少なくないのだろうが、川内さんは「まだまだ、当分は続くでしょう」と予測する。

「やはり世界中で猛威を振るっているということを考えると、そう簡単に報道を止めるわけにもいかないのではないでしょうか。今後、ピークアウトして感染者数は減っていくと専門家の方々は予測しています。感染者数が下火になれば、視聴者の関心も低くなり、報道は実質的に止まるでしょう。でも、そうなる直前までは、芸能ニュースの一環として報じられ続けると思います」

デイリー新潮編集部

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