日ハム・新庄監督の「メディア出演抑制」方針とぶち上げられた「臨時コーチ招聘」プランの真相
180度異なる方針転換
スポーツ紙関係者は、
「実はROLANDのコーチ招聘も全くなかった話ではないようです。報道が先走って世に出てしまい、ネット上を中心に『お門違い』『プロ野球をナメ過ぎ』などと予想以上に猛烈な拒否反応が強まったことで新庄監督もROLAND自身も慌てて一旦否定せざるを得なくなったと囁かれています」
と事情を明かす。
「藤川さんや赤星さんのようなレジェンドならともかく、異分野の室伏さんや武井壮さんではねぇ……。武井さんに走塁のアドバイスを求めるとして、それではこれまでのコーチの教えは何だったのか、とならないでしょうか。ベテランをはじめ『オフシーズンならともかく、これから野球の練習を数多く積んで精度を上げていきたいキャンプの大事な時期にプロ野球未経験者から指導を受けても身が入らない』と露骨に難色を示す選手も少なくない」
もちろん、新庄監督は指揮官就任以来「プロ野球界が盛り上がってくれれば」との思いを持っているからこそ、さまざまなリップサービスやテレビ番組への出演ラッシュなどメディア露出に務めてきたのは間違いない。その恩恵を球団も十分受けているはずだが、ここにきて「露出過多ですでに飽きられ、食傷気味になっている」との手厳しい指摘も内輪から出るようになってきた。
もしかすると、新庄監督自身もそんな危機感を胸の内で覚え始めているのかもしれない。その証拠に、ビッグボスは春季キャンプを皮切りに、今までとは180度異なる方針転換を図るつもりでいるという。
一体、どうしようというのか――。球団関係者は次のように明かす。
単独インタビューも基本的にはNG
「2月1日のキャンプイン以降、新庄監督はテレビ番組の出演を控える方向にしているらしい。評論家やアナウンサーを含めメディアへの単独インタビューも基本的にはNG。1日の練習終了後に囲み取材を1度行うだけにしたいようです。あれだけメディアに露出していたにもかかわらず、突然方向性をガラリと変えようとしているのだから何か心境に変化が生じたと考えるのが自然でしょう」(球団関係者)
キャンプインと同時にいよいよ本気モードに切り替わるという号砲なのか、それとも今まで自分が前面に出過ぎていたことから転じ、「これからは選手が主役」とばかりに音無しの構えを見せようとしているのか。
「新庄フィーバーもいずれは落ち着き、選手の実力や結果が問われるフェーズになるというのはクレバーな監督本人が一番自覚していることでしょう。臨時コーチの招聘案で味噌をつけたのか判然としませんが、話題追求型の臨時コーチに手を借りるよりも、指揮官自ら直接指導を施すビッグボス流のチーム再建術への期待が球団内外に大きいことは間違いなさそうです」(同)
臨時コーチ招聘はもちろんのこと、本来ならば話題にすらならない「監督のメディア出演抑制」ですらニュースになるという点は、現在の新庄監督は球界では異質の存在だろう。
かつてのミスタープロ野球、長嶋茂雄監督ら少数の例外を除けば、ここまで話題を量産できる監督はほとんどいなかった。新庄劇場の新たな幕開けと言えるのかもしれない。
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