川崎Fにあって日本代表にないもの サウジ戦で大迫、南野に代えてスタメン起用すべき選手は?
大迫を替える必要性
代表チームでは川崎Fのようにチーム戦術を熟成する時間がないという反論もあるだろう。それでも期待してしまうのは、それが代表チームだからである。
以上を踏まえてサウジアラビア戦に向けての改善策をあげるなら、大迫に代えて前田大然を、南野に代えて久保建英をスタメン起用するのも一つの提案である。
大迫はPKを確実に決めたものの、それ以外ではチャンスらしいチャンスをつかめなかった。中国CBティアス・ブラウニングのハードマークに苦しみ、攻撃の起点になったとは言いがたい。
対戦相手にしても足元へのパスが多いので、背後からアタックしやすいだろう。その点、前田は足元だけでなく背後への飛び出しをむしろ得意とするタイプ。彼のスピードは大きな武器になることは間違いない。
そして南野である。4-3-3の左FWは窮屈なのか持ち味を発揮しているとは言いがたい。左サイドで攻撃の起点になることはできず、中央へ流れて長友の攻撃参加するスペースを作っているものの、彼本来の得点嗅覚は影を潜めたままだ。
焦点のサウジ戦
チームでは大迫に続く最多の16ゴールを記録しているとはいえ、昨年5月のタジキスタン戦以来6試合連続ノーゴールが続いている。やはり彼は4-2-3-1のトップ下で起用してこそ生きる選手ではないだろうか。
サウジアラビア戦で4-3-3のトリプルボランチを採用するなら、左FWにはドリブラータイプの選手が欲しい。残念ながら三笘はケガで不在のため、残された選択肢は久保ということになる。彼ならトップ下と右サイドはもちろん、左サイドでもプレーできるユーティリティー性がある。
中国戦では遠藤の代わりに久保を投入し、守田と田中によるダブルボランチから4-2-3-1へシステム変更した。サウジアラビア戦では4-3-3でスタートしつつ、中国戦と同様にボランチに代えて南野をトップ下に、伊東か前田の代わりに堂安律を右サイドに投入するオプションもある。もちろんこれはスクランブル状態での選択で、伊東と前田の快足FWがカウンターからゴールをモノにするのが理想的な試合展開だ。
「(サウジアラビアは)チームとして完成度が高い。長く一緒にやっているメンバーが多くて洗練された感がある。ボールを持たせながらカウンターというオプションもあるのかな」とは遠藤のコメントだが、一考に値する戦い方である。
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