分科会メンバーも「飲食店時短」の意味を疑問視 専門家らが「尾身会長」を徹底批判する理由

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「典型的な無責任構造」

 ところで、分科会は「人流抑制より人数制限」と言いながら、なぜ「まん防」の適用を次々と了承して時短を推し進めるのか。実は、小林慶一郎氏によれば、

「分科会の提言案に沿うなら、飲食店も時短営業まではせず、人数制限程度にとどめるというやり方も、ありうると思います。しかし基本的対処方針にもとづくと、まん延防止等重点措置は、時短営業をセットで進めなければいけないことになる。本当は時短営業させるかどうかも、知事が選べるようにすべきだったのではないか、と思います」

 飲食店などは無意味に時短を強いられている、ということのようだ。分科会は、なぜ科学的根拠を添え、「時短は要らない」と政府に訴えないのか。しかし、その前に知事たちが、地元の経済を守るためにも、時短に反対してもよさそうなのに、そんな声は上がらない。そのわけを国際政治学者の三浦瑠麗さんが説く。

「措置を厳しくし、できるだけ国に協力金を拠出させる方向でしか考えていないのでは、と思いますね。本来は自県の経済とのバランスをとり、産業が疲弊しないよう考えるべき立場なのに、その責任を負っていない。奈良県や愛媛県など一部の知事を除き、この2年間の知見を活かそうとしていない。人数制限などで接触機会を限定して乗り切ろうという発想がないのです。政府が協力金を出すならば、自分たちの懐は痛みません。高齢者や子供を抱えている主婦層など、リスクを恐れる人たちの民意を過大に聞き、飲食店には国からお金で対処するという、典型的な無責任構造です」

「2月中に収束」の声も

 その親玉が東京都の小池知事、ということか。

「東京都も知事や専門家は、医療サイドに気を遣っているので、医療体制は抜本的に解決しない。お上が活動を制限しやすい子供や、感染対策を続ければ時短する必要のない飲食店ばかりが犠牲になるのだと思います。2年間、この政策を続けているのは、知事と専門家が一枚岩だからでしょう。小池さんはいつも、緊急事態宣言などが出されるまではさかんに露出しながら、宣言が出されるとほとんど露出しなくなります。宣言が出ても感染拡大が止まらない一番つらい時期は、政府がメディアを含めて露出する。メディア的な立ち回りはうまい方ですね」

 オミクロン株については、希望をもてるデータがこれだけ出ているのに、なぜ見ようとしないのか。その点は、岸田文雄総理も同様だが、「感染拡大を抑える姿勢を見せ、次の選挙につなげたい」(唐木氏)のか。

 だが、そうしているうちに、第6波自体が収束するだろう。浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師が訴える。

「オミクロン株はワクチンを打っている人や若年層にとっては、もう風邪のようなもの。保健所や医療の負担を軽減するためにも、感染症法上の位置づけを5類に引き下げるべきです。南アフリカなどのデータを見ると、感染者の推移は3週間後にピークを迎え、その後、5週間ほどで収束となる。日本では1月24日からの週にピークを迎え、2月中に収束するでしょう」

週刊新潮 2022年2月3日号掲載

特集「このままでは『濃厚接触者』で社会がパンク! “専門家を批判”に急変 『小池知事』『岸田総理』科学無視の醜悪」より

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