大人がハマる「カプセルトイ」最新事情 入手困難な人気商品を一挙公開【画像付き】
ルーツはアメリカ
「ガチャガチャ」と言えば、駄菓子屋に通う子どもたちに大人気だった。しかし、現在は「カプセルトイ」として、むしろ大人たちが夢中になっているという。ここ2~3年で人気が高まり、カプセルトイの販売機はショッピングモールや街中のスーパー、駅、ミュージアム、観光施設などで見かけるようになり、専門ショップも次々とオープンしているというのだ。
【写真】精巧なカマキリのミニチュアから二本足でたたずむ犬、文庫本のポーチまでまで…大人がハマる「カプセルトイ」はデザインも楽しい!
カプセルトイのルーツは、1880年代のアメリカとされている。最初はガムのみを扱っていたが、1940年あたりから玩具も売られるようになった。そして玩具が入ったカプセルトイがアメリカから日本に輸入されたのは、65年のこと。子どもたちをターゲットに駄菓子屋やおもちゃ屋、文房具屋の店先に置かれ、ハンドルを回したときの特徴的な音から「ガチャガチャ」と呼ばれるようになった。当時は1つ10円で、中には小さな指輪や時計、キーホルダーなどが入っていた。
70年代に入ると、子どもたちの間で全国的に人気が広がり、様々なメーカーが参入。ガチャポン、ガシャポン、ガチャなど地域やメーカーによって呼び方にも変化が出てきた。80年代には、中身がチープなオリジナル玩具から人気キャラクターのグッズに替わり、100円の商品も売られ始めた。「キン消し」という略称で親しまれた「キン肉マン消しゴム」や「スーパーカー消しゴム」に夢中になったアラフィフ世代は多いはずだ。
「コップのフチ子」は300万体以上の大ヒット
大人向けのカプセルトイ市場は、1990年代後半から徐々に拡大してきた。近年はアイデア豊富な新規参入メーカーも増え、各社が趣向を凝らし多彩なジャンルで展開。品質の向上とともに価格も上昇し、現在は300円の商品が主流となっている。
「ブームのきっかけになったのは、やはり“フチ子”です」と話すのは、ガチャガチャの森イオンモール幕張新都心店店長の後藤さやかさんだ。フチ子はコップの縁に飾れるOL姿などの女性のフィギュアだが、2012年に発売された「コップのフチ子」シリーズは、300万体以上を売り上げる大ヒット作となった。以降大人を主なターゲットとしたカプセルトイブームが続いているという。
「昨年、様々なスポーツをする『五輪のフチ子』が発売されると、あっという間に売り切れてしまいました。フチ子をそろえたいというマニアの方もいらっしゃって、ここまで長く人気が続くとは思いませんでした。もっともフチ子さんでカプセルトイ人気に火がついたものの、爆発的なブームとなってきたのはここ2~3年です」
カプセルトイ市場は、玩具業界紙『トイジャーナル』の調査によると、ここ20年ほど250億~330億円で推移してきたが、19年度に400億円に達したという。実際、メーカーを問わずカプセルトイを扱う専門店であるガチャガチャの森は、2018年から事業を開始し、わずか2年あまりで全国に56店舗を展開するほどの急成長を見せた。2020年にオープンしたイオンモール幕張新都心店には、44坪の売場に762台のカプセルトイマシンが置かれ、約30社のメーカーから毎月百数十種類もの商品を入荷する。
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