日テレ「3冠王」の立役者は桝アナ? 高視聴率でもフジの男性アナが「好きなアナ」首位をとれないワケ
女子アナの尻拭い役? 「好きな男性アナ」から見える男性アナの重圧と苦悩
首位ばかりが取り沙汰されるアナウンサーランキングだが、面白いのは10年以上もベストテンに出入りし続ける男性アナがいる。それがフジの軽部真一アナと伊藤利尋アナだ。どちらもベテランながら、知名度と人気は若手をしのぐ。共通点は「めざましファミリー」の一員であり、三枚目的なキャラをこなしつつも、どこか冷めた目線を感じるところではないだろうか。同じ朝番組の担当でも、ミーハーさが立ちすぎる笠井信輔アナは、在局時代もあまりランクインしなかったのと対照的である。
思えば殿堂入り第一号のTBS安住紳一郎アナも、桝アナと同じく地に足の着いた印象を感じさせる人だ。ニュース読みも安定しているし、バラエティーではユーモアや毒っ気の利いた返しに定評がある。有名タレントたちからの信頼も厚いが、自分がタレントのようには振る舞わない。その安定したスキルや謙虚な姿勢に、安心する視聴者や共演者は多いだろう。
裏を返せば、それができないアナウンサーが多いということでもある。特に女子アナは、若いうちからキャラや容姿ばかりが注目され、技術不足でも浮き足立った言動をする者も少なくない。ただ女子アナは許されても、男性アナが同じことをしては総スカンを食らう。お茶の間にも局内にも、「女子アナは仕方ないけど、せめて男性アナはしっかりしてくれよ」という意識があるのは否めないだろう。女子アナの尻拭いをする役割を、各局の男性アナが負わされている側面はあるのではないだろうか。
安住アナが首位だった2005年から2009年は、青木裕子さん、小林麻耶さん、田中みな実さんが在籍していた頃と重なる。お騒がせ女子アナが目立ちすぎた分、より抑制の利いた自意識と対応が求められたことだろう。目立つポジションは女子アナに奪われるが、目立とうとすれば嫌われる。技術と人格を、女子アナ以上に求められる男性アナたちの重圧と苦悩はいかばかりか。
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