「元大臣」秘書が手を染めた「金の密輸」から「仮想通貨」“詐欺”まで 駐日コンゴ大使と共謀も
外交行嚢
浜田靖一元防衛相は「ハマコー」の愛称で知られた故・浜田幸一元代議士を父に持ち、すでに当選10回を数える。そのベテラン政治家の秘書、小宮久という人物の日常は不正行為に塗れていた。
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「小宮さんに脅され、いくつもの詐欺で、その片棒を担がされました。何人もの被害者を生み出してしまい、このまま黙ってはいられなかった」
と、片山さつき参院議員の元公設秘書、磯脇賢二氏が打ち明ける。小宮氏とは、あるビジネス交流会で出会ったという。
浜田代議士の秘書として会の理事を務めていた小宮氏は、国会近くで「TandT」なるコンサル会社も切り盛りしていた。小宮氏に誘われ、磯脇氏が2017年9月からその会社を手伝いはじめると、いきなり“金の密輸”に加担させられた。それは次のような方法だった。
まず、外交特権で検査免除となる「外交行嚢(こうのう)」を台湾に送る。外交行嚢はコンゴ民主共和国(以下・コンゴ)のもので、小宮氏の仲間が台湾で購入した金のインゴットを行嚢に詰め込み、東京・浅草橋のコンゴ大使館に送り返す。そして大使館からTandTに運ぶ。税関を通さずに日本に持ち込んだ金を買い取り業者に売り捌けば、消費税分が丸儲けである。磯脇氏が把握する限り、数カ月間で500万円近くを荒稼ぎしていた。
小宮氏がコンゴの外交行嚢を悪用できたのは、元駐日大使との特別な関係による。金に困っている元大使に毎月50万円前後を渡し、生活の面倒も見ていたのだ。
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