岸田首相自ら赤線で修正 霞ヶ関官僚に出回った「トリセツ」と“ラッキー首相”の野望

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リーダーシップへの不満

 通常国会では予算委員会が開かれ、本格的な論戦がスタート。岸田文雄内閣は報道各社の調査で軒並み高支持率を維持しているが、オミクロン株対策ではほころびも見え隠れする。霞ヶ関の官僚の間で流布する対岸田首相の「トリセツ」、そして政権が目指す野望とは?

 政治部デスクによると、

「岸田さんは24日の答弁で、オミクロン株の感染拡大は想定内だと言いたげでしたね。この点、官邸は“感染拡大の波が2週間ほど早く来た”と受け止めているようです。去年、入国をかなり制限する『鎖国政策』が国民の支持を得て時間稼ぎができていました。その間に3回目のブースター接種を前倒しできていればベターだったのですが、自治体との調整は一筋縄ではいかないようで、そこはうまくいきませんでしたね」

 支持率の推移を見てみると、岸田内閣の支持率そのものはかなり高いレベルをキープしているが、オミクロン株対策についての首相のリーダーシップについては国民の不満が見て取れる。

市場原理主義、弱肉強食

 先のデスクはこう解説する。

「岸田さんについてどう思うか永田町関係者に聞くと、“ラッキーだ”と言う人が少なくありません。前任の菅さんが政権の命運を賭けて進めたワクチン接種が行き渡ったお陰で、感染の波が抑えられた状況で政権をスタートすることができたというわけですね。それは確かにその通りだと思います。感染が拡大するにつれ、岸田さんのリーダーシップに疑問符がつくのもまた当然でしょう。今回、早く波がやってきた分、早く終わってくれれば良いと祈る他ないというのが現状でしょう」

 コロナについては祈るしかない岸田首相は、霞ヶ関官僚の間でこんな「トリセツ」が出回っているという。

「演説の原稿などを官僚がしたためた後、岸田さんがそれに目を通す際に必ず『改革』という文字を消していますね。だから、あらかじめ『改革』を使わずに原稿を書くというのが周知徹底されているのです」

 と、あるキャリア官僚。実際、岸田首相は昨年10月にテレビ番組に出演した際、所信表明演説で「改革」という言葉を使わなかったことについて問われ、「『改革』という言葉には市場原理主義、弱肉強食など何か冷たいイメージがついていると感じている。私の所信表明演説には、冷たい改革ではなく、血の通った改革をしっかりやろうということを盛り込んだつもりだ」などと答えている。

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