活動休止「氷川きよし」が独占告白していた苦悩と決意 「自分の心のままに生きていきたい」

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男らしく生きてほしいと言われると「自殺したくなっちゃう」

 1月21日、歌手の氷川きよし(44)が所属する事務所とレコード会社は、公式ホームページを通じて今年12月31日をもって歌手活動を一時休止すると発表。突然の知らせにファンを中心として惜しむ声は絶えないが、予兆は以前からあった。2019年の本誌(「週刊新潮」)の取材に対し、公私ともに抱えていた生きづらさを告白していたのだ。

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 氷川が本誌の取材に答えてくれたのは19年の紅白を前にした12月6日のこと。当時、氷川は自身のイメージを一新する容姿で注目を集めていた。たとえば19年夏に神宮球場で行われたプロ野球・ヤクルト対阪神戦の始球式では、ミニパンツ姿でマウンドへ上がり、観客の度肝を抜いていた。

 突然の‟路線変更“に氷川自身の口から明確な説明がなされることはなかったため、芸能マスコミをはじめファンの間でもさまざまな憶測が生まれたが、本誌に自らの思いを告白してくれたのはちょうどその頃だった。

「美輪明宏さんも、自分と同じ九州出身で、長崎では“女っぽい”からっていろいろイジメにもあっていた。そういう話を聞いていたから『ヨイトマケの唄』をカバーさせていただくようになったんです。でも、世間が求める『氷川きよし』の姿は違う。あくまで演歌の王道を歩んでほしい、男らしく生きてほしいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」

「本当に歌うことが楽しいと思えるようになった」

 言葉を選びながら自殺願望まで口にした氷川。小さい頃から「ナヨっとして」いたといい、「オカマ」と呼ばれるなどのイジメを受けてきたと語る氷川の違和感は、葛藤の末に演歌歌手としての名声を得ても、拭い去ることはできなかったという。

「デビューからこれまではプレッシャーもあって、それに応えようとして体調を崩し具合が悪くなり、精神的にもパニックになり落ち込むこともあった。どこか違うというか、自分の持っているものに合わせて音楽を表現したいなと思って、路線を変えたんです」

“路線変更”は氷川の人生に大きな変化をもたらしたという。

「自分に素直に生きるようになってから、すごく幸せです。20年経ってから本当に歌うことが楽しいと思えるようになった。(中略)みんなが求める『氷川きよし』もこれからやっていきたい気持ちはありますが、いろんな部分がある『氷川きよし』だから、一色だけではまとめられない。周りにどう言われようが、どんなに足蹴にされようが、自分の心を歌っていきたい。自分の心のままに生きていきたい。しっかりと確信をもって表現しようという真剣な決意だから、(フェミニンな服装やメイクについて)からかったりしないでほしい」

 発表文には〈自分を見つめなおし、リフレッシュする時間をつくりたい〉とあった。再び表舞台に帰ってきたとき、氷川きよしは我々にどんな姿を見せてくれるのだろうか。1月27日発売の「週刊新潮」では、3年前の取材で語った複雑な胸の内について詳しく報じる。

週刊新潮 2022年2月3日号掲載

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