茂木幹事長の「調整能力の低さ」に公明・学会は激怒 よみがえる「甘利落選ショック」

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“何を今さら”という思い

「学会としては茂木幹事長に、“何を今さら”という思いが強いのです」

 と、学会関係者。

「去年から相互推薦を固めてほしいというのは再三要望していたのに、茂木氏に反故にされたという思いが強い。茂木氏は“遠藤選挙対策委員長の管轄だ”などと言ってきたようですが、さすがに遠藤氏も困っていましたよ」

 参院選の趨勢は32ある1人区での勝敗が握っている。

「公明が推薦すれば絶対に獲得できるはずの票を失いかねず、学会の協力なしには自民の候補が苦戦するのは目に見えている。例えば15勝17敗といった結果になれば茂木氏は幹事長に留まっていられないでしょう。ポスト岸田だと言われるのは現職の幹事長だからであって、そこをはき違えるべきではないと思いますよ」

 とし、こう突き放す。

「半分冗談ですが、去年までなら土下座は1回で済んだのに、このままだと10回になってしまうなどと言われています」

 他方、先のデスクは、

「自公がギクシャクしているのは明らかですね。甘利さんのケースがよみがえるようです」

 と話す。甘利前幹事長の選挙区での落選は先の総選挙で公明からの推薦が「第3次」と遅れに遅れたことに関係するようだ。

甘利前幹事長落選の記憶

 甘利氏が一時失脚することになった政治とカネの問題については、公明や学会は極めて厳しい姿勢を取っており、いわばタブー中のタブー。特捜部から貸金業法違反容疑で在宅起訴された遠山清彦元議員が除名されたことも記憶に新しいところだろう。

「甘利さんの敗因は学会組織が積極的に稼働しなかったことが大きい。選挙戦の最後の方で、“日本には甘利明が必要なんです”と絶叫するように支持を訴えていましたが、公明支持層に必要なのは学会であり宗教なのであってまるで的外れだと言われていました。推薦の『第3次』と語呂を合わせて『大惨事』などと揶揄する声までありましたね」(先のデスク)

 甘利氏に公明や学会をないがしろにする意図はなかったのかもしれないが、軽視や慢心が祟って苦杯をなめたことは事実のようだ。

「相互推薦は選挙の勝敗を左右しますから、責任者である茂木氏自身に返ってくる問題でもあります」(同)

 勝てば官軍となるや否や。

デイリー新潮編集部

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