「神田沙也加さん急逝」をメディアはどう伝えたか 2年前から変化した「自殺報道」

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 1月21日、厚生労働省は2021年の自殺者数が2万830人(速報値)だったと発表した。11年ぶりに増加した前年よりは251人減ったものの、コロナ禍が始まる前の2019年と比べると661人増えた。自殺対策に取り組む「厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター」によると、2年前に立て続けに著名人が自殺した直後に自殺者数が急増していたことが判明してからは、抑制的に自殺報道を行う報道機関が増えてきたという。昨年末、神田沙也加さんが急逝したケースではどうだったのか。

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2020年に続いた著名人の自殺

〈【相談窓口】「#いのちSOS」フリーダイヤル0120-061-338(月・木:0時~26時、それ以外:8時~24時)〉https://www.lifelink.or.jp/inochisos/

 神田さん急逝を取り上げたほとんどのネットニュースの末尾には、このような案内文がついていた。メディアの自殺報道に変化を感じた人は多いだろう。報道を受けて自殺念慮に苛まれている人が衝動的な行動に至らないよう、各メディアが行い始めた取り組みである。

 厚生労働大臣指定法人である「一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター」が、2年前からメディアに呼びかけてきたことで定着するようになった。代表理事の清水康之さんが語る。

「2020年は、7月に俳優の三浦春馬さん、9月にも俳優の竹内結子さんと、著名人の自殺が続いた1年になりました。警察庁から提供を受けた自殺統計の日時データを分析したところ、自殺報道の直後から明らかに自殺者数が急増していました。統計的な分析の中で、竹内さんの自殺報道後は、報道から10日間で、約200人の方が影響を受けて自殺で亡くなった可能性があります」

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