Snow Manがデビュー2周年 華麗なアクロバットに隠された様々な苦悩

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ジャニー喜多川の言葉

 ジャニーズJr.の中には、バックではなくマイクを持って自らのオリジナルソングを歌ったり、自分たちメインのコンサートを催してファンを多く集客したりするグループもいる。その一方で、バックダンサーとしての仕事が主だった彼らは焦りをつのらせていく。

 阿部亮平も、かつてジャニー喜多川に自らのダンスの実力を“お手本”と言われたことをこう振り返る。

「何度かジャニーさんに言われたんですよね。“お手本すぎるね”って。最初は“あ、できてるってことだ”って思ってた。でも、そうじゃない。何度か言われるうちにハッとしました。踊れて当たり前。そこに自分らしさを足せるヤツがスターになれるんだって」(Myojo 2020年11月号)

 お手本であることとスターであることは違う――。実力派と言われながらも、長らく最前線には立てなかった彼らは“できすぎるがゆえの苦悩”を抱えることになる。

 2015年には、「何でもこなせるのもよくないのかな」(渡辺)「おれたちは、便利屋じゃないからね」(深澤)と嘆き、「おれたちは実力を見せる場もない(中略)大きな場所で人の背中を見ない公演をやらせてもらって、証明したい」(渡辺)と決意するも、「悪い返しとか想像しちゃうと気が引ける」(渡辺)「嫌われたら嫌だなって先々のことを考えちゃう」(佐久間)「向こうから言ってもらうまで待とうっていう考えだったんだけど…」(深澤)と及び腰になるなど、自分たちをどうアピールするかの葛藤について赤裸々に語っている。(女性セブン 2015年5月14日・21日合併号、2015年5月28日号)

滝沢の言う「あと3年」

 この前年の2014年、自身の舞台で彼らを起用し続けてきた滝沢秀明は、先輩グループと比較しつつSnow Manのデビューに関して、こう論じていた。

「たとえばA.B.C-Zの場合は、僕が怒れば悔しがって頑張ってた。そこが必要だと思うんです。今のSnow Manにはそれがまだない。まだ時間がかかるのかな。今まで3年かかったから、あと3年。計6年くらいかかるのかも(笑)」(女性自身 2014年3月18日)

 このときの会話は、ゆとり世代の後輩のガツガツ感がないと嘆く上司のようだ。

 本人たちも自覚はあるようで、佐久間は「もともとSnow Manって、一歩下がるというか、なかなか前に一歩足を出せない人が多いんです。先輩のライブのMCで話す機会をいただいても、こんなこと言ったら先輩に失礼かもと考えてしまって躊躇してしまう」(anan 2020年3月25日)、「もっと積極性もあってもいいのかな。他のグループだともうちょっとグイグイ行くところを、僕たちはあと一押しができず終わらせちゃったりする」(JJ 2019年12月号)と自己分析している。

 それから滝沢の言う「あと3年」が経った2017年の会話は、もう若干やぶれかぶれな雰囲気すら漂っていた。

 阿部の「もう正攻法じゃムリ」という言葉を筆頭に、岩本が「“ジャニーズ史上初、デビューしたけど先輩のバックにもつくグループ”になれたら面白いなって思ってる」と言えば、そこに渡辺が「デビューしてもJr.としてやってきた仕事は続けたいっていうのは俺もある」と乗っかっていた。(日経エンタテインメント! 2017年3月号)

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