「こんなに重症例が少ないのは初めて」と医師が証言 「2月中に波が落ち着く」の声も

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 専門家も総理も「まだ実態がわからない」と繰り返してきたオミクロン株の正体が、急速に見えつつある。なめてかかるのは言語道断だが、重症者が少ないいま、ワクチンや薬について、ゼロベースで考える時間ができたともいえる。

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 イギリスで21万8千人(1月4日)、イタリアで22万8千人(1月18日)、フランスでは46万4千人(1月18日)、そしてアメリカは143万人(1月10日)と、欧米各国で記録された1日当たりの新たな感染者数は、もはや目まいがするほどである。

 感染力がデルタ株の3~5倍というオミクロン株の威力を見せつけられた格好で、日本にとっても他人事ではない。東京都の感染者数は20日には8千人を超え、大阪府でも19日に6千人超えを記録している。1都15県が、まん延防止等重点措置が適用される事態になった。人口が東京の1割程度の沖縄県で、感染者数が連日千人を優に超えているのも憂慮される。

 こうした数字を突きつけられれば、重症化しにくいと聞かされても、安閑とはしていられまい。WHO(世界保健機関)も11日、ヨーロッパとロシア、中央アジアなどについて「今後6週間から8週間で、人口の半数を超える人たちがオミクロン株に感染するおそれがある」と懸念を示した。

イギリス、アメリカでは減少傾向

 しかし、一方でイギリスではすでに、1日当たりの感染者数が10万人を切るまでに急減。ニューヨークをはじめとするアメリカの主要都市でも、減少傾向が明らかになっている。

 はたして、6~8週間も感染が拡大しうるのか。むしろ日本もふくめ、早期のピークアウトが期待できるのではないのか。だが、それを考える前に、感染者が多い都府県の医療等の状況を確認しておきたい。東京都福祉保健局によれば、

「1月4日から10日の感染者のうち、83.9%がオミクロン株でした」

 東京都の1月20日時点での入院者数は2024人で、病床使用率は28.9%。そのうち重症者は9人である。また、陽性が確認された人のうち入院者数が占める割合は、4.6%ほどだ。

 大阪府でもすでに大半がオミクロン株に置き換わっており、保健医療室感染症対策企画課が説明する。

「重症者用病床は626床のうち6床が埋まっていますが、オミクロン株の感染者ではありません。軽中等症病床3110床は706床が埋まり、ほかに自宅療養者が4328人です。ただ、死亡者はゼロの日も多く、第5波とくらべると圧倒的に少ないです」

 沖縄県はどうか。

「12月26日には、オミクロン株は検査した検体の15%でしたが、30日には97%にまで増えていました」

 とは、感染症対策課の話で、1月20日現在、重症者は6人である。

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