豊臣秀吉の本当の父親は誰だったのか? 天下人の出生の謎を追う!
下賤の身から、天下統一の覇者へ。日本史上、稀に見る立身出世を遂げた豊臣秀吉の人気は、今なお高い。そんな秀吉の父親は、一般的には「織田信長の父である信秀の足軽を務めた木下弥右衛門」とされているが、大阪城天守閣館長の北川央氏は、その著書の中で、詳細に検証した。その結果は――(本稿は新潮新書『大坂城―秀吉から現代まで 50の秘話―』より再構築されたものです)。
豊臣秀吉の出生については、一般的に、織田信長の父・信秀の足軽を務めた木下弥右衛門と母(のちの大政所(おおまんどころ))との間に生まれ、姉一人がいたが、弥右衛門が早くに亡くなったため、母が筑阿弥(ちくあみ)と再婚し、弟の秀長と妹の旭が生まれたと理解されている。...