“育成契約”から這い上がれ! 今年期待される育成選手の実名【セ・リーグ編】

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腕が遅れて出てくるフォーム

 昨年の育成ドラフトに12球団で唯一参加しなかった中日だが、若手の有望株として楽しみな選手が、20年の育成2位で入団した上田洸太朗だ。享栄では下級生の頃から評判の大型サウスポーで、3年夏に行われた甲子園でのプロ志望高校生合同練習会で好投を見せた。

 ルーキーイヤーの昨年は高校卒の育成選手ながら4月に早くも二軍で公式戦デビューを果たすと、12試合に登板して1勝0敗、防御率0.79と見事な成績を残した。ストレートは140キロ台前半だが、腕が遅れて出てくるフォームで、なおかつ球持ちが長いため、打者は数字以上に差し込まれることが多い。また、大型サウスポーながらコントロールにまとまりがある点も長所だ。地元の高校出身の大器として、今年はさらなる飛躍が期待される。

 投手陣の苦しいDeNAでは、2年目の石川達也に期待したい。横浜高時代は、藤平尚真(楽天)との二枚看板として活躍。法政大では故障で伸び悩んだが、ポテンシャルの高さが評価されて、20年の育成ドラフト1位で地元のDeNAに入団した。

 昨年は二軍でチームトップタイとなる4勝をマークし、防御率も2.35と上々の数字を残している。独特の大きいカーブなど多彩な変化球を操り、名門校出身らしく、落ち着いたマウンドさばきが光る。ストレートの力がアップすれば、一軍のブルペンに加わる可能性もあるだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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