清宮幸太郎“10キロ減量”を心配する声 打撃不振と体重は無関係でデメリットがある

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体重移動の問題

 年齢順に並べてみよう。セ・リーグでは、ヤクルトの山田哲人内野手(29)、広島の鈴木誠也外野手(27)、DeNAの佐野恵太外野手(27)、巨人の岡本和真内野手(25)、ヤクルトの村上宗隆内野手(21)。

 パ・リーグでは、ソフトバンクの柳田悠岐外野手(33)、オリックスの杉本裕太郎外野手(30)、同じくオリックスの吉田正尚外野手(28)──以上の8人になるという。

「8人のバッターは、バッティング時の体重移動が優れています。ステップした時にピッチャー側へ体重は移動しますが、インパクトからフォローにかけて、必ずキャッチャー側に戻ります。ピッチャー側に体重が移動しっぱなしだと、いわゆる『体が前に突っ込んだ』状態になります。8人のバッティングフォームと、清宮くんのフォームを比較してみてください。清宮くんの体重はキャッチャー側に戻っていないことが分かるはずです」(同・広澤氏)

 清宮が一軍に定着できない理由は、バッティングフォームにあるわけだ。その修正が求められているのは言うまでもないが、ここで問題なのは、その原因が肥満にあるのかということだ。

「たとえ肥満体だったとしても、バッティングフォームの体重移動に悪影響が出るとは考えにくいです。新庄監督がどのような考えから減量を命じたのか、もちろん私に真意が分かるはずもありません」(同・広澤氏)

ある程度の脂肪が必要

 前にも触れたが、プロ野球選手の体重問題を考える際、そもそも脂肪太りが起きるはずはない。そのため、「筋肉」で体重が増えることは決して悪いことではないという。

「野球は守備も走塁もあります。あくまでも理論上の話ですが、単純に体重(徐脂肪)が重ければ重いほど、バッティングの飛距離は伸びます。筋肉が増すと、ボールも遠く飛ぶのは自明の理です。そして仮にもプロ野球選手ですから、脂肪太りで体重が重いということはあり得ません」(同・広澤氏)

 その一方で、体脂肪率が10%台でも珍しくないという。

「プロ野球選手も、陸上選手や水泳選手のような体脂肪率が数パーセントといった“アスリート体型”なのだろうと想像しているファンなら、びっくりするかもしれません。ホームランバッターの体脂肪率は10~20%がざらです」(同・広澤氏)

 ホームランを打つために必要な筋肉量を維持するには、ある程度の脂肪は許容範囲だという。

「プロ野球選手における“肥満”と、新庄監督が持つ“肥満”の概念は違うのではないでしょうか。それが少し、気がかりではあります」(同・広澤氏)

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