体調不良に効果的な「丸ごと野菜スープ」「発酵塩豆腐」とは 食改善アドバイザーが推奨
発酵塩豆腐の作り方
野菜だけでは飽きるという人は、煮た具材に、発酵塩豆腐で作るディップ・ソースをつけて食べるのはどうかと成田さん。発酵塩豆腐とは、豆腐を黄麹菌で発酵させたもので、腸内の善玉菌を増やして免疫力をアップさせるという。
これも作り方は簡単で、(1)木綿豆腐1丁、(2)良質の塩小さじ2.5杯、(3)電子レンジで耐熱容器を熱殺菌し冷ましておく。
豆腐の全面に塩をまぶして1日おくと、黄麹菌が豆腐に付いて発酵を促してくれるそうだ。これを容器に入れてふたをし、冷蔵庫で保存する。水が出てきたらそのつど捨て、3日以上(~10日)経ったら食べる。「時間が経つとヌルッとして黄色くなりますが、そこは削ってください。だんだんチーズ味になっていきます」と成田さん。菌は違うが、作り方は沖縄の「豆腐よう」と同じだそうだ。
そのまま食べても美味しいが、豆腐を潰し、オイルサーディンやチーズを細かくして混ぜ、それを野菜につけるとさらに美味しく食べられるという。
はて、黄麹菌はどうやって豆腐に付けるのだろう。
「黄麹菌は日本独特の菌で空気中を漂っています。塩をまぶしたら勝手に付いてくれるのです。自然の恵みに感動しますね。黄麹菌は優れもので、腸内細菌の中で長寿菌ともいわれる善玉菌の酪酸菌を増やしてくれます」
炊き込みご飯の効用
健康を求めるのはいいが食べ方を間違えている人が多いことが、成田さんは気になっているという。
「コロナ禍のせいか、テレビ番組でタレントさんが食事をする場面が増えました。それを見ながら食べている人が多いんです。人間の体って、目の前に肉があるか野菜があるかで胃液の分泌量も変わります。脳が察知して準備するんですね。ところが、野菜を食べているのに、ステーキを食べる番組を見たら、体の消化器官は、唾液も胃液もステーキのつもりでどんどん出します。膵液もインシュリンもそれに対応します。こんなことを続けていると間違いなく病気になります」
消化器系の病気をした人なら思い当たる節もあるのではないだろうか。
あるいは、健康な人が健康維持のために野菜スープを飲むのは簡単でも、すでに体調不良を通り越して抑うつ状態になっている人なら、「野菜スープ」を作る気力は失せているだろう。そういう人に「炊き込みご飯」がおすすめという。
「うつ状態になると手の込んだ料理なんてできませんね。そこで炊飯器にお米を入れて好きな具材を適当に5種類加えて炊きます。具材は缶詰や冷凍野菜など何でもいいです。お茶碗1杯で充分栄養がとれます」
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