体調不良に効果的な「丸ごと野菜スープ」「発酵塩豆腐」とは 食改善アドバイザーが推奨

ドクター新潮 健康 食事

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皮も種も捨てないスープ

 例えば、タマネギの皮はたいてい捨てるが、この皮には血液をサラサラにするケルセチンという抗酸化物質が可食部より250倍も含まれているし、カボチャの種には、漢方では前立腺肥大の薬になるような成分も含まれている。野菜は工業製品ではない。ファイトケミカルも、根、葉、皮とそれぞれ場所ごとに違っていて、野菜全体に命の情報が詰まっているから捨てるところはない。それを私たちは捨てているのである。そうではなく、命を丸ごといただこうというのが成田さんの「丸ごと野菜スープ」なのである。

 作り方は実に簡単。まず色の異なる季節の野菜を5種類以上用意する。きのこや海藻を含めてもいい。

 調理例をあげる。

 キャベツ(4分の1個)

 ジャガイモ(2個)

 ニンジン(1本)

 パプリカ(赤と黄各1個)

 タマネギ(1個)

 水(2リットル)

 これを深い鍋に入れて強火で煮る。沸騰したら弱火にして約1時間煮込む。それをザルで濾(こ)して具材と分ける。スープはそのまま飲んでもいいし、ダシに使ってもいい。冷凍すれば1カ月は保存できる。

 具材はカレーに入れたり、煮物にしたり、温野菜としてマヨネーズをつけて食べたりと使い方はいろいろだ。余れば切って冷蔵保存する。ポイントは、キャベツのように大きな野菜はカットするが、基本は皮、茎、根、種など丸ごと煮込むことだ。野菜を食べるというのは野菜の命をいただくことであって、それには丸ごと食べることがベストなのだという。

体に任せる

 体調が悪いからといってサプリに頼るのは、飲めば健康になると信じているからだろう。でも、自分の体に何が過不足な状態なのか、私たちは正確に知ることはできない。ビタミンCが足りないと思っても、壊血病にでもならない限り、本当に必要としているかどうかわからない。成田さんは、「命を活性化するための早道は、緻密な体のネットワークに従うこと」と言う。ファイトケミカルが豊富な野菜を丸ごと食べて、何が必要か、あとは体に任せなさいということだ。

 可能であるなら無農薬の野菜がいい。体調が悪い人はなおさらだ。最近の農薬は野菜の細胞に浸透して残留するだけでなく、食べた人の脳にも浸透していくといわれる。体調が不良の人に、農薬がどんな影響を与えるか、よくわかっていないのである。だったら避けるのが賢明だろう。

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