浜辺美波は昔も今もどこかクール 「好きすぎて何も手に付きません」と言うファンに意外な反応

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10歳にして「今、人生のピークのどこらへんに…」

 東宝シンデレラのニュージェネレーション賞に10歳で選ばれ、その後、所属先の東宝芸能が体を張るレッスンを受けさせた成果にほかならない。さしずめ同社は美少女が清純派女優になるための虎の穴だ。

 オーディションに受かったころの浜辺の顔写真を見ると、現在とは別人で、まるでフランス人形の少女。小顔なのに目が大きく、クリクリしている。こんな小学生がいたら、目立って仕方がないだろう。

 そのころのコメントが実に大人びていた。

「(東宝シンデレラオーディションは)新聞で見つけました。今、人生のピークのどこらへんに来ているかな…と思って受けました」(10歳当時の浜辺のコメント「CM NOW」2012年3月号)

 人生の勝負時だと思ったのだろうか? 10歳で新聞広告を眺めていたというのもシブイ。ただし、芸能界入りする気はなかったそうで、いわば記念受験だった。

 当時、自分を動物にたとえると「ナマケモノ」だと答えていた。「動くのが面倒くさいし、行動が遅いから」(「CM NOW」2012年3月号)。なるほど…。最初は本当に記念受験のつもりだったらしい。

 それから11年。新作の連ドラは「ドクターホワイト」。昨年4月期の「大豆田とわ子と三人の元夫」や同10月期の「アバランチ」が評判高かった関西テレビが制作する。浜辺がフジテレビ系の連ドラに主演するのは初めて。

「なんだ、また医療モノか」という声が上がるに違いない。確かに医療モノは多い。刑事モノと並び、一定の視聴率が見込めるからだ。

 患者を10代から20代にすれば若者たちが抱える諸問題を自在に描けるし、高齢者を患者にすれば終活や家族全体が抱える問題をテーマに出来る。医療モノは誠に便利な代物なのだ。おまけに病院施設を借りてつくるから、美術費が格安で済む。

 もっとも、「ドクターホワイト」は単なる医療モノではない。浜辺が演じる雪村白夜は天才的な医学知識を持つものの、医師ではない。また、記憶喪失で、社会性が全くない。

 とはいえ、その医学知識は診療の現場で役立てられる。検査結果も見ないで患者の病名や理由を言い当ててしまう。医師の診断を「誤診です」と否定し、医療ミスを防ぐ。

「記憶を失ったブラックジャックか」と思いきや、それも違う。百夜は何らかの事件に巻き込まれ、医学知識を植え付けられたらしい。

 共演は医療雑誌の記者・狩岡将貴役の柄本佑(35)、白夜が身を置く高森総合病院院長・高森巌役の石坂浩二(80)や瀧本美織(30)、勝地涼(35)、小手伸也(48)ら。座長役の浜辺はレギュラー陣の中で最も若い。

 浜辺は昨年6月公開の映画「賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」にも主演した。その記念イベントでファンから「(浜辺さんが)好きすぎて何も手につきません」と熱いメッセージを送られた。

 ところが本人の答えは「そのうち熱は冷めてくると思います」と淡々としていた。

 10歳の時から、どこかクール。熱をあらわにしないところも浜辺の魅力かも知れない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮編集部

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