陰圧ハイヤーで移動、弁当のグレードは下がり…米国から帰国で「濃厚接触者」になった私の14日間【写真付き】
どこのホテルに泊まるか、教えてくれない
急激に増加するオミクロン株の陽性者。当然、周囲にいた濃厚接触者の数も多くなる。今のところ、彼らは原則、宿泊施設で待機するのが決まりだが、実際の体験者の声を聞くと、それでよいのかという疑問もわいてくる。ここでは、米国から到着し、国の用意した施設で隔離、その後、自宅隔離の予定が、機内で近くの席に感染者がいてオミクロンの濃厚接触者になってしまい、想定外の境遇に陥った帰国者の実例を見る。その奇妙な体験は、ホテルで待ち構えるコロナ対策スタッフの物々しいお出迎えから始まった。
***
【写真】冷たい弁当、夜景の美しい部屋、PCR検査、入国者健康居所確認アプリ…オミクロン株濃厚接触者の隔離生活とは
現在、日本に到着する国際線の乗客は、新型コロナ水際対策として、全員に唾液のPCR検査が課せられる。結果が出て空港から宿泊施設に向かうのは4時間後。昨年暮れに米国から帰国した会社員のAさん(妻子持ち)は、そこに6日間隔離の予定だった。
「勿体(もったい)ぶって、どこのホテルに泊まるか、到着するまで教えてくれない。でも、カップ麺の年越しそばや、お正月には、夕食にインスタントお汁粉がついてきました」
しかし、宿泊施設のスタッフから電話で衝撃の事実が伝えられる。機内の前後2列に座っていた乗客からオミクロン陽性の反応が出たという。この時点で、施設隔離の後の自宅隔離が別の宿泊施設での8日間の隔離に切り替わった。
「目の前が真っ暗になりました。1週間、狭い部屋の中で、誰にも会えず、精神的に参ってしまいそうなのに、さらに1週間以上も外に出られないなんて……」
[1/2ページ]