オミクロン株は“コロナ終息のサイン”か 弱毒化の兆候も

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外来で対処できる風邪に

 東京大学名誉教授で、食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏が言う。

「南アではあっという間にピークアウトし、死者の増加がなかったと南ア政府が発表し、それを研究者たちも認めています。オミクロン株の実態はインフルエンザに近いといえるでしょう。北海道大学と東京大学の実験でも、細胞毒性が非常に弱いことが明らかになっています。ヨーロッパも、南アと同じコースをたどることが容易に予想されます」

 そして、こう続ける。

「オミクロン株が世界中に広がり、デルタ株を駆逐してくれたほうが、人類にとってありがたいことだと思う。オミクロン株に置き換わったほうがトータルで死者は減るかもしれないという意味では、コロナ禍の救世主といえるでしょう」

 最後に矢野医師の見通しを示しておきたい。

「7、8月までには、新型コロナは外来で対処できる風邪になっていると、私は予想しています。そのころまでには、国民のほとんどが3回目のワクチン接種を終えて、抗体が十分にでき、コロナは流行しても、ただの風邪でしかなくなっていると思います。ただし、指定感染症であることが、コロナを外来で診られる病気にするうえでネックになっている。3回目のワクチン接種と並行して、指定感染症を外す議論を進めていくべきです。今年はコロナ禍に区切りをつける年にしなければなりません」

 マスクに手洗い、ワクチン。地道に対策を続けるうちに数カ月でコロナ禍が終息することを、切に願う。

週刊新潮 2022年1月13日号掲載

特集「感染増でも今年『コロナ』は終息する!? 『医師』『専門家』が予測 『英国』『南ア』データで読み解く『オミクロン』の戦略」より

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