巨人の新外国人 MLB96発「ポランコ」に早くも囁かれる不安 専門家は厳しい評価
巨人は1月5日、3人目の新外国人としてグレゴリー・ポランコ外野手(30)を獲得したと発表した。単年契約で年俸は2億5000万円という。ポランコとすでに獲得した育成含みのアダム・ウォーカー外野手(30)、メジャー通算28勝のマット・アンドリース投手(32)は、今年どんな活躍を見せてくれるのか。
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巨人は昨季、新助っ人のスモーク、テームズ、ハイネマンがいずれもシーズン中途で帰国したことが、優勝を逃した一因だった。
ポランコは左投左打で身長193センチ、体重99.8キロ。メジャー8年間で通算96本塁打、98盗塁、今度の補強では最も実績があり、原辰徳監督は「5番」に起用する方針と報じられている。しかし、
「5番はちょっと難しいかもしれません」
と解説するのは、メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏。
最下位の戦犯
「ポランコが所属していたパイレーツは、昨季ナショナルリーグ中地区で最下位でした。戦犯の一人がポランコだったのです。彼は昨年8月にクビになりましたが、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標のWARで、-1.2という数字でした。1点あたり800万ドルですから、960万ドルの損害をチームに与えたことになります。ちなみにメジャーでWARの最高得点は大谷翔平の9でした」
パイレーツでの昨季の成績は打率.208、11本塁打、36打点、14盗塁だった。具体的に、どこに問題があったのか。
「左投手を苦手としています。11のホームランはすべて右投手からで、右投手の打率が.222なのに、左投手は.172と打てていません。左投手相手だと、体が開いてしまい、外角に入ったスライダーが打てないのです。三振も多く、昨季は左投手の場合、93打数で36個。ちなみに右投手では243打数で68三振でした」
さらに速球にも弱く、緩いカーブやチェンジアップにも対応できないという。
「速球に対する打率は.151まで落ちます。左投手だと.061と話になりません。日本でも左投手が先発の時は、起用しない方がいいですね」
ポランコは怪我も多い。2018年に左肩を脱臼して手術、19年は左肩の炎症で離脱した。20年は右手首を骨折している。
「2015年にパイレーツでレギュラーに定着していますが、19年から成績はかなり落ちています。守備力も怪我の影響で格段に落ちています。15年のDRS(守備防御点)が+11だったのが、昨季は-8です。これはメジャーワーストレベルです。これだけ成績が下降している選手を獲ってきて、巨人はどうするのでしょうか。日本では、本塁打は二桁打つかもしれませんが、打率は.230がせいぜいだと思います」
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