「鎌倉殿の13人」の初回を専門家はどう見たか ナレーション「長澤まさみ」の配役を予想する
1月9日、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がスタートした。鎌倉幕府の第2代執権・北条義時を演じる小栗旬が主演で、源頼朝は大泉洋、義経に菅田将暉、平清盛に松平健、他に坂東彌十郎、片岡愛之助、小池栄子、宮澤エマ、新垣結衣、山本耕史、宮沢りえ、田中泯、西田敏行、ナレーションは長澤まさみ……と三谷幸喜の作品らしい豪勢なキャスティングだ。視聴率は昨年の「青天を衝け」の20・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を下回る17・3%だった。その初回を専門家はどう見たか。メディア文化評論家の碓井広義氏に聞いた。
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三谷脚本の大河は、幕末を描いた04年の「新選組!」(主演・香取慎吾)、戦国時代末期を描いた16年の「真田丸」(主演・堺雅人)以来、6年ぶり3作目である。作品を重ねるごとに時代を遡っていることになる。ちなみに初回視聴率も、「新選組!」26・3%、「真田丸」19・9%と、時代を遡るごとに下っている。
碓井:「青天を衝け」はコロナ禍の影響で、スタートが2月でしたからね。焦らされた視聴者が多く見たということもあるでしょう。今回、描かれるのは平安末期から鎌倉前期ですが、この時代、源頼朝と義経くらいは知っていても、北条義時って何者だっけというのが、多くの人が感じることだと思います。そこが、これまでの三谷作品とは異なるところでしょう。私も敢えて予備知識なしで初回を見ました。
――その結果として、視聴率もこれまでの作品よりも落ちたということか。で、感想は?
碓井:すごく面白く見ました。三谷さんらしいユーモアが、時折ではなく全編に溢れていました。一方で、初回は主人公がどんな人物なのかを伝えることが重要です。その点、義時はまだ頼りなさを見せつつも、頼朝はじめ父・時政(坂東彌十郎)、兄・宗時(片岡愛之助)、姉・政子(小池栄子)、妹・実衣(宮澤エマ)らが、無理難題に振り回されながらも調整能力に優れている人々であることをしっかり描いていました。今後、彼らが様々なトラブルに直面しながらも、その調整ぶりを展開していくのだろうと印象づけました。
――知らない時代、知らない人物を描いた大河は、これまで失敗の連続だった。
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