二階元幹事長が「10増10減」に「腹立たしい」と反対して吠えた理由

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「1票の格差」是正のため

 自民党の二階俊博元幹事長(82)は10日、地元・和歌山のラジオ番組に出演し、検討が進んでいる衆院小選挙区定数の「10増10減」について批判した。その理由とは?

「10増10減」は衆院小選挙区の「1票の格差」是正のために今年予定されているもので、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知の5都県が定数増となる一方、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の10県は各1減となる。

 定数が増える5都県はともかく、減る10県のうち自民党現職が小選挙区の議席を独占する滋賀、岡山、山口、愛媛では、関係者らが胸ぐらを掴むとまでは行かないまでも、すでにボルテージは上がっているようだ。

「定数が4から3になる山口には安倍晋三元首相と林芳正外相という大物がいますが、区割り的にどちらかが比例区への転出などを迫られる可能性が高いとされています」

 と、政治部デスク。同様の火種は、定数が3から2となる和歌山にも存在している。

 10日、和歌山3区選出の二階元幹事長は出演したラジオ番組で和歌山の定数減に言及し「腹立たしい。こんなことが許されるのか。地方にとっては迷惑な話だ」と述べている。

衆院への鞍替えを明言

 同じ番組には世耕弘成参院幹事長(59、参院和歌山選挙区)も出演しており、衆院の定数を増やすことで一票の格差を是正する方法も選択肢にすべきだと表明した。

「参院で当選5回の世耕さんはメディアのインタビューに答え、衆院への鞍替えを明言しています。しかし地盤とするのは二階さんと同じ和歌山3区。これまでは衆院と参院とでうまく住み分けてきたのですが、定数が減るうえに世耕さんの“宣言”もあって状況は混沌としています」

 と、先のデスク。

「先の衆院選では、山口3区で林外相が無所属でも立つぞとあいくちを突きつけるようにして、結果的に河村元官房長官を引退に追い込みましたね。あれは定数が減ってからではそういった強硬手段に出づらい、ラストチャンスだという思いがあったからです。世耕さんも同じようにできたらよかったし、それを望む気持ちもあったでしょうが、うまく行かなかったのです」(同)

 他方、二階氏は中選挙区時代から連続13回の当選を誇る。これまで幾度となく自身の3男への世襲が取り沙汰されたが、実現しなかった。

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