総選挙予測大外れで共同通信社長に“異例の処分” 直撃に「役員報酬を返上した」
政界、一寸先は闇――。“寝業師”の異名をとる川島正次郎・元自民党副総裁の言葉通り、令和初の総選挙では思わぬ結果に涙した者も。それは選挙報道に携わるメディアも同じ。議席予測を大きくハズした共同通信社では、“社長”に異例の処分が下されていた。
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共同通信関係者によると、
「昨年の総選挙の予測が難しかったのは事実ですが、うちの場合は多くの加盟社を抱えていますからね……。何よりもマズかったのは、投票終了直後の午後8時に、加盟社に向けて“自民は大幅議席減”という速報を打ってしまったこと。これをそのまま報じた地方紙も少なくありませんでした」
共同通信社は自ら取材・編集したニュースを地方紙などの加盟社に配信している。ロイターやAP通信とならび世界的な知名度を誇る同社は、しかし、今回の選挙予測を大きく外してしまう。自民党は追加公認を含めて261議席を獲得。〈大幅議席減〉どころか、単独で絶対安定多数を確保することとなった。
「開票が進んで自民党が議席数を伸ばす一方、うちの見出しは日付が変わる頃まで差し替わらず、後手後手の対応に終始していた。軌道修正の遅れに加え、うちが運用するシステムの障害によって、加盟社が集票データを参照できなくなるトラブルまで発生。当然ながら、加盟社からの猛抗議に晒されたのです」(同)
今回の総選挙では各社とも予測に苦慮していたが、地方紙デスクに言わせると、
「共同は朝日などと合同で出口調査を実施し、同じ調査データを手にしていました。にもかかわらず、朝日は独自の分析を加味して〈自民、単独過半数を確保の勢い〉と予測を的中させた。共同の間違いが目立った格好です」
これでは加盟社が怒るのも無理はあるまい。
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