大阪桐蔭だけじゃない!プロ野球選手を次々と輩出するアマチームの“凄み”
高校生を起用しながら育てる
社会人ではJR東日本と大阪ガスが目立つ。JR東日本は10年以降に十亀剣(西武・11年1位)、吉田一将(元オリックス・13年1位)、田嶋大樹(オリックス・17年1位)、太田龍(巨人・19年2位)、伊藤将司(阪神・20年2位)、山田龍聖(巨人・21年2位)と6人の上位指名選手を輩出している。
他のチームと比べても高校から積極的に選手を採用しており、田嶋、大田、山田以外にも、石岡諒太(中日)や板東湧梧(ソフトバンク)などが高卒で主力選手へと成長しNPB入りを果たしている。
一発勝負の社会人では、どうしても完成度の高い大学卒の選手が主力となることが多いが、その中でもスケールの大きい高校生を起用しながら育てているというのは非常に特徴的だ。
一方、大阪ガスは野手が多い。岡田雅利(西武)や岸田行倫(巨人)、近本光司(阪神)、小深田大翔(楽天)が指名を受けてチームに欠かせない存在となり、昨年のドラフトでも末包昇大(広島6位)が指名を受けた。
他の社会人チームは圧倒的に投手のプロ入りが多く、これだけコンスタントに野手を輩出しているのは、大阪ガスだけだ。岡田と岸田は高い守備力、近本と小深田はスピード、末包はパワーと選手の長所を大きく伸ばしているのがこの結果に繋がっている。
今年の候補では、JR東日本は小谷野楽夕、大阪ガスは河野佳の両投手が候補として名前が挙がっており、特に河野は高卒2年目で社会人の年間ベストナインに輝いている実力者で、上位指名の期待もかかる。
もはや“お家芸”と言えるレベル
最後に独立リーグ。四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスが圧倒的な実績を誇っている。昨年のドラフトでは、村川凪(DeNA育成1位)、古市尊(西武育成1位)の2人が指名を受け、これで9年連続の指名となった。
育成での指名が多いが、伊藤翔(西武)や上間永遠(西武)、行木俊(広島)、古市といった高校卒の選手を短期間でNPBに送り出しているのは、もはや“お家芸”と言えるレベルにある。今年も聖カタリナで注目を集めた強打のショートである川口翔大が入団予定であり、スカウト陣の注目を集めることになりそうだ。
どのカテゴリーのチームもNPBへ選手を輩出するためだけに存在しているわけではないが、チームとしての魅力を図る一つの指標であることは間違いない。今回紹介した以外からも、多くの選手をNPBに送り出すことをウリとするチームが新たに出てきてほしい。
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