ビートたけし役で絶賛される「柳楽優弥」 映画業界が次に注目していることは?

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どん底

 2作目の主演映画「星になった少年 Shining Boy & Little Randy」(05年/監督・河毛俊作)では、セリフが棒読みと酷評され、3作目の映画「シュガー&スパイス 風味絶佳」(06年/監督・中江功)でようやく演技を基礎から学んだ。

《第3作で監督に鍛えられ、意識が変わる。「台本を読みながらそのシーンをイメージしなさいと」指示された。/「そんな基礎すら知らなかったんです」/第4作の「包帯クラブ」では、心に傷を持ち奇行を繰り返す役。撮影終了後も変な行動が続き、周りから「役が抜けてないんじゃない」と言われた。「役にのめり込めたってことだから、言われてうれしいんですよ」》(「朝日新聞」08年2月24日付)

 ところが、映画「包帯クラブ」(監督・堤幸彦)が公開された翌08年8月29日、自宅で精神安定剤を大量に服用して病院に搬送されたことが報じられる。

「『包帯クラブ』以降、ほとんど仕事がなかったのと、この数日前にブログに意味深なことを書いていたため、自殺未遂ではないかと大騒ぎになりました」

 8月16日付のブログにはこう書き込まれていた。

《この1年間で俺、体調崩しちゃってました。露出が前より減ったのも、その影響があるんだ(中略)ずっと応援してくれとは思わないし、応援してくれる人を増やしたいとも思わない。(中略)ちょっと一瞬ヘタレになっちゃったけど今の俺は軽く最強だから宜しく! 人は苦労したりどん底見たりすると、最強になるわ。優弥学んだ!》

是枝監督からお呼びは

「結局、彼は家族との喧嘩でカッとして、いつもより多めに安定剤を飲んでしまったということで、自殺説は否定しました。その頃はストレスでかなり太ったこともありましたし、車のディーラーで洗車や車磨きのアルバイトをしていたこともありました」

 そこから這い上って今があるのだ。

「彼自身がブログで言っていますが、どん底を見て復活した人は強いんですよ。有吉弘行もその一人だと思います。柳楽はものすごく真面目ですから、主役も張れれば、主役を喰う脇も演じられる。さらに、狂気的なところも持っていて、同世代では稀有な役者になりました。同じ事務所の先輩で、こちらも憑依役者の呼び声が高い山田孝之のように、彼も作品をプロデュースしたいとか言い始めそうですね。今の彼なら勢いもありますし、柳楽主演と聞けば脇にもいい役者が揃うと思います」

 海外進出もあるだろうか。

「その一環としてNetflixに出たのかもしれません。いまはハリウッドに行かなくても、世界にアピールできる時代になりましたからね」

 次はどんな作品が期待されるだろう。

「やはり、役者として成長した柳楽優弥に、是枝監督がいつ声をかけるかが注目されています」

デイリー新潮編集部

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