「オミクロン株」感染者急増中 2類相当をインフルエンザと同じ5類相当に引き下げるのはいつか

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1日も早く実施すべき

 どうやら、外堀を順調に埋めているようなのだ。

「2類相当の場合、普通の病院では患者さんを入院させることができません。医療逼迫が起きやすい理由の1つでもあるのです。充分な感染対策は必須ですが、もし5類相当になれば、制約なく広く検査を受けることができ、必要なら家族が近くの処方薬局で薬をもらい、自宅で治療できるようになります。ただ、5類にすると薬の自己負担分が増えるなどの弊害もあります。メリットを増やし、デメリットを減らす制度設計が求められていると思います」(同・角田医師)

 いよいよオミクロン株は、日本でも猛威を振るいそうだ。5日は新規感染者が2000人を超え、6日は4000人を超えたと報じられた。

 4000人を超えたのは昨年9月18日以来だ。東京、大阪、沖縄で感染拡大が続き、沈静化する気配はない。

「医師としての見地から申し上げれば、その感染力の強さは十分に考慮しなければなりませんが、2類相当を5類相当に引き下げることをしっかりと議論しなければいけないと思います。感染者数が激増すれば、低い重症化率であっても重症者の絶対数は増加します。引き続き感染予防は徹底していただきたいと思いますが、重症化率が低いことが分かっているオミクロン株の取り扱いに関しては、医療逼迫が起きないように早急な検討が必要でしょう」(同・角田医師)

いつかは人類と共存

 5類への引き下げが、待ったなしの状況であるのは間違いないようだ。

 ちなみにネット上では「2類相当だからコロナが怖い病気というイメージが生まれ、患者が差別されている」という指摘が散見されることも付け加えておこう。

 角田医師は今後、新型コロナも「インフルエンザ様疾患の一種」になっていく可能性が高いと指摘する。

「猛威を振るった感染症は必ず、弱毒化していき、最後は人間と共存するようになります。ウイルスにとっても、寄生した人間が皆病死すると、自分も存続できません。大きな被害を与えた2009年の新型インフルエンザも、今では季節性インフルエンザの一種に過ぎません。新型コロナも同じ状況になるのは間違いないでしょう」

註:オミクロン株 コロナ治療薬の効果に変異の影響は? 専門家に聞いた(NHK首都圏ナビ:21年12月7日)

デイリー新潮編集部

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