供述調書でひもとく「積水ハウス事件」の内幕 「生保レディ」が「地面師の女」になるまで
最も肝心な役回り
地面師グループにとって、最も肝心な役回りは地主の「なりすまし役」。検察が作成した羽毛田正美の供述調書も入手したので、紹介しよう。
〈きっかけは、当時、私が働いていた明治安田生命の同僚である武井美幸さん(のちに逮捕)からの話があったことでした。時期的には、平成28年12月末頃から平成29年1月の初め頃のことだったと思います〉
佐妃子さんが末期がんを宣告される1カ月ほど前のことだ。その後、武井とは別の人物らから、「土地の地主の代わりに土地を売る」仕事で100万円の報酬を提示されたという。そして羽毛田は、「生保レディ」から「地面師の女」になるための「最強兵器」を手に入れる。
〈私の顔写真が入った海老澤さん名義の偽造のパスポートを見せられ、「このパスポートが、これからのあなたの身分証明書になる。」と言われました。この偽造パスポートは、この後、様々な場面で本人確認のために使いましたが、一度も偽造と見破られることはなく、とてもよくできたものでした〉(つづく)
「週刊新潮」2019年6月20日号「MONEY」欄の有料版では、供述調書の内容を詳報する。
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