日韓慰安婦合意から7年目 一方的に破棄した文大統領と正義連の尻拭いが必須の次期政権

国際 韓国・北朝鮮

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正義連の過激な主張

 2021年12月28日、「日韓慰安婦合意」から7年目を迎えたが、かの正義連(日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)からは、「日本政府と韓国政府は“2015韓日合意”の失敗を認めて、日本軍性奴隷諸問題の解決に積極的に乗り出せ!」とのコメントが発表された。安倍元首相と朴槿恵(パク・クネ)前大統領との間で結ばれたこの協定はよく知られるように、文在寅(ムン・ジェイン)大統領によって一方的に破棄された。その文大統領の任期切れまであと4か月。次期大統領選挙で政権交代の可能性が取り沙汰される中、正義連はその存在を強く主張する必要に迫られているようだ。現地在住・羽田真代氏がレポートする。

 今回、正義連が主張した内容はざっと以下の通りだ。

・手続き、形式、内容すべてにおいて問題である「2015韓日合意」は安倍政権と朴槿恵政権のいかがわしさを露呈し、市民の怒りに火をつけ、文在寅政権が発足するに至った。

・2015韓日合意は失敗だった。

・韓日両国政府は2015韓日合意という歴史的な足かせを整理し、正義を見せよ。日本政府は被害者が一人でも多く生きているうちに、事実認定と謝罪、真相究明と再発防止を約束して具体的に実践しろ。韓国政府は被害者中心の原則をオウムのように繰り返すだけでなく、大韓民国の地位にふさわしい行動を実践で見せろ。決断する時だ!

支援金受け取り拒否の責任は?

 まず、上記の文政権誕生の経緯は誤解を招くものだろう。朴前大統領は大統領在任中に知人の女性を国政に介入させたなどとして批判が高まり、弾劾されて失職したはずだ。日韓合意とは関係ない。いつものことながら、ご都合主義的解釈には口をあんぐりと開ける他ない。

 続いて、正義連の主張する“失敗”とは何なのか。少なくとも日本は、両国の融和のために最大限の誠意を示したと言えるだろう。

 日韓合意に基づいて設立された財団に日本政府は10億円を拠出し、韓国政府が認定した元慰安婦240人のうち、約41%に当たる99人がその財団を通じて支援金を受け取った。

 その後、財団を解散させたり、当初は支援金の受け取りを表明していたおばあさんらを受け取り拒否に誘導したりしたのは他ならぬ韓国側だ。結果として、カネを受け取れていない慰安婦や遺族が少なからず存在している。

 日韓両政府は「日韓慰安婦合意」で「最終的かつ不可逆的な解決」を互いに確認した。約束を履行しなかったのは文政権であり、そうするように仕向けたのが慰安婦を利用して私腹を肥やし続けたとされ、寄付金を流用した容疑などで起訴された正義連・前代表の尹美香氏だった。正義連が言う“失敗”の責任は、文政権や尹美香氏が負うのが筋ではないのか。

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