「日大の女帝」田中理事長の夫人がかつて作った幻のCD 結婚前は演歌歌手として活動
〈つばさ休めに くるあなた〉
〈城から見おろす 街が好き〉
ちゃんこ屋を切り盛りしながら忙しい夫を支える日々。権力の頂きに立った夫の脇にいる私。そう読めてしまうのは気のせいか。その曲のCDは非売品だが街のカラオケで歌うことができる。歌手は日大の「女帝」と呼ばれた田中英寿前理事長夫人だ。
***
東京地検特捜部が、所得税法違反で田中英寿・日本大学前理事長(75)を起訴したのは12月20日のこと。罪状は、大阪の医療法人「錦秀会」前理事長から受け取ったリベートなど約1億1800万円を申告せずに隠していたというものだ。
特捜部担当の記者が言う。
「取り調べではこのうち約8千万円を前理事長の妻の田中優子氏が受領したことが分かっています。実際にはリベートの大半が夫人に渡されており、彼女の経営する『ちゃんこ料理たなか』には仕事が欲しい取引業者が蝟集(いしゅう)していました。日大の理事・局長クラスも店で“指示”を受けており、“あいつ飛ばしなさいよ”と言うだけで人事が決まったといわれています」
かくて日大の「女帝」として権勢をふるっていた優子夫人だが、田中前理事長と結婚する前は、意外にもプロの演歌歌手だった。半世紀近く前のことだが、三波春夫の前座を務めたこともあり、「女性自身」のインタビューでは、
〈テイチクからレコードを6枚ほど出して、5~6年やったかしら〉(1994年2月1日号)
と話している。古くからの知人によると優子夫人は歌手養成所の「ビクター音楽院」の出身。気配りが利いて親分肌の彼女は学院でもマドンナ的な存在だったという。
その優子夫人が再び歌手として登場したのは、日大の「女帝」として君臨していた5年ほど前のことだ。
[1/2ページ]