レースクイーンから「ギャラ飲み」斡旋業に… 貯金2000万円のアラサー女が口にした“不安”

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「私、人材派遣業の資格とか持ってないし」

 珠緒のこうした“ズレた”感覚は、取材を通してずっとあった。「平均では、お茶飲みかギャラ飯でしたら1万円くらい。お酒を飲むんだったら1時間2万円ですね」とか「一番アツかった案件は1時間ぐらいで100万円もらえました。男性陣はアジア系のギャンブル系、クスリ系の仕事してる人たちで、脱いだり触られたりも一切なく」と、自分の仕事について嬉々として語ったかと思えば、突然、

「こんなこと話しちゃって法律に触れないですかね。私、人材派遣業の資格とか持ってないし。捕まっちゃうんですかね……。でも、オトナ(肉体関係を結ぶことを指す隠語)する子は、その子の自由で会って、強制はしてない。それに最初からそういう条件だというのを正直に提示していますから、大丈夫ですよね」

 と真顔で言いだす。資格うんぬんの問題ではないのだが……。ちなみに彼女自身は、ギャラ飲みには参加しても、パパ活はNGだそうだ。

「私は潔癖症なので、そういうのは。オトナは若くてイケメンでお金持ってて優しい人に10万円でした経験の一度きりです。そこまでしなくても、仲介やギャラ飲みで一日10万円くらいは入ってきますし。もちろん、何にも無いときは0ですけど、平均すれば月々100万円は稼いでいますね」

自称“芸能の仕事”

 もっぱら自身のもつ人脈で仕事をこなしているという珠緒。それは、彼女のいう「芸能人」の仕事を通じて培われたものらしい。

 地方の都市で生まれ育った彼女は、地元の専門学校を卒業して、一般企業に就職。だが「ずっと座ってるのが辛くて」すぐに辞めた。厳しい実家から出て一人暮らしをしたかったこともあり、いまから5年ほど前に上京した。専門学校時代に取っていた資格を活かし、東京でも就職先はすんなりと決まった。と同時に、副業で働いていたキャバクラで「モデルにならないか」と客から誘われた。それが、レースクイーンの仕事だった。

「鈴鹿(サーキット)や(大分県の)オートポリスまで遠征して、1日に5万円をもらっていました。私はいわゆるフリー、直(ちょく)の営業だったのでかなりいい方です。事務所に入っている子だと、中抜きされて、日給7000円の子もいましたね」

 芸能人というのはつまり、レースクイーンということかと質すと「雑誌の仕事もしていました。普通に」と言い張る。だがよくよく聞けば、実際はレースクイーンをしている時の写真がマニア向けの写真雑誌に載っただけだった。しかもコロナ禍もあってか、最近は“芸能の仕事”はあまりしていないという。就職した会社も今は辞め、もっぱらギャラ飲み斡旋の仕事で生活をしているようだ。

 こうした経歴があるから、案件をふる女の子は、レースクイーンの同僚や仕事を通じて知り合った子が多いという。男性側はキャバクラ時代についたお客さんや、その紹介。案件を持ち込む側もふられる側も、信頼関係がなければ彼女に頼まないから、これもひとつの彼女の才能なのかもしれない。街を歩いていたときに「ギャラ飲みの仕事に興味ありませんか?」とスカウトされたこともあるというから、なにか人を惹きつける魅力はあるのだろう(声をかけてきた相手とはその場でLINEを交換し、今は自分の客にしているそうだ)。

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