キヤノン創業者「御手洗毅」は産婦人科医 打倒「ライカ」で見せた「メイド・イン・ジャパン」の意地

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 御手洗毅は1942(昭和17)年9月、精機光学工業(キヤノンカメラを経て現・キヤノン)の初代社長に就いた。(敬称略。全2回の1回目/後編に続く)

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 当時、主力製品は35ミリの高級カメラだったが、戦時中は高級品が売れず、日本光学(現・ニコン)の下請けの仕事で細々と食いつないでいた。

 その就任式で社員たちに、こう語りかけた。

「自分は諸君がご存知のとおり医師の出身だ。もし僕をだまそうとすれば、それは諸君にとって赤ん坊の手をねじるようなもので、いとも簡単にできる。...

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