国民は悠仁さまではなく「愛子天皇」誕生に前のめりに…専門家は「内閣も国会も怠惰の謗りを免れない」と指摘

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小泉内閣で議論

 改めて小室夫妻が世論に与えた影響の大きさを感じるが、「愛子天皇待望論」は、愛子さまが誕生された時から常に語られてきたことも事実だ。

「愛子さまは2001年12月1日に誕生されましたが、毎日新聞が同年12月11日に世論調査の結果を掲載しました(註1)。女性天皇を容認するかを質問したところ、実に86%が賛成したのです。世代別で最も多かったのは20代の91%でしたが、最低だった70代でも73%が賛成しました。これは実質的に、全ての世代が賛成したと言っても過言ではありません」(同・担当記者)

 愛子さまが誕生された瞬間から、大多数の国民が「愛子さまが即位されるといいな」と考えていたのだ。

 この時、皇室典範の改正に向けて大きく動き出したことは偶然ではない。愛子さまが誕生された時の首相は小泉純一郎氏(79)だった。

 ご誕生に先立つ半年前の01年5月、小泉首相は「個人的には女性の天皇陛下でもいいんじゃないか」と発言。これをきっかけとして、有識者による議論がスタートした。

「05年2月に朝日新聞が世論調査の結果を発表しましたが(註2)、女性天皇を容認するという回答は86%に達しました。国民の間で意見が割れたのは皇位継承の順位です。『最初に生まれた子供』は性別にかかわらず継承されるべきという意見が47%、『生まれた順番より男子という性別を優先する』が41%という結果でした」(同・担当記者)

女性天皇と女系天皇

 そして05年11月、「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大総長)は「女性天皇」と「女系天皇」の容認を報告書に記載した。

 ここで「女性天皇」と「女系天皇」の違いについて簡単に説明しておこう。

 そもそも男系天皇とは「天皇の父親を辿っていけば、初代天皇とされる神武天皇まで遡ることができる」ことを指す。そのため「母方の血統を辿る」女系天皇は未だかつて存在せず、現在の皇室典範も男系男子の天皇しか認めていない。悠仁さまが皇位継承権の第2位とされているのは、これに基づく。

 一方の女性天皇とは、何らかの事情で「父親である天皇陛下の娘」が即位するというケースだ。天皇家の長い歴史で女性天皇は8人。次期天皇が幼年だったといった理由から、あくまで“ワンポイントリリーフ”として即位した。

 また、8人の女性天皇うち6人が、飛鳥時代から奈良時代にかけての約200年間に集中している。皇位継承を巡って皇族間で激しい権力闘争が起きていたことと関係があるようだ。

 今後、「女性・女系」のうち「女性天皇」だけを認めたとすると、仮に女性天皇が結婚をし子供を生んだとしても、その子供は性別を問わず皇位を継承できない。

 現在の皇族に当てはめると、何らかの事情で愛子さまが9人目の女性天皇として即位されたとしても、愛子さまの退位後に悠仁さまが即位されたら、「男系天皇」は維持されたことになる。

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