「心がける」のネイティブな表現は? 在米医師が教える生きた英語

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 コロンビア大学医学部外科教授であり、ニューヨークのトップドクターとして知られる加藤友朗医師。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)の著者でもある加藤氏が日常で出会う“ネイティブ英語”を紹介。

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 日本のコンビニの話を前回と前々回で書きました。ではニューヨークのコンビニはどうか。もともとアメリカのコンビニはガソリンスタンドに併設されたものとドラッグストアを兼ねているものがあり、ドラッグストアの場合は薬局が店舗内にあります。ドラッグストアを兼ねた店は日本のコンビニよりだいぶ大きくて、生鮮食料品を扱わない小さなスーパーのような感じです。化粧品や生活雑貨は日本より充実していると思いますが、食べ物は基本的にはありません。一方ガソリンスタンドに併設されているものには食べ物をたくさん置いている店も多く、日本のコンビニとコンセプトは近いのですが、食べ物のレベルは大きく劣ります。

 さて今回の表現はmindful。mindfulは「状況を理解して心がける」「意識して忘れずにいる」という意味の形容詞で、mindful of〜という形で使います。漫画でアダムが言っているのは「怪我のリスクがあることを忘れないでほしい」ということです。名詞のmindfulnessは「意識して心がけること」の意味ですが、最近ではmindfulness practiceの意味にもなります。mindfulness practiceは自分の今の状態をありのままに理解して受け入れることから心の安定を導く方法で、心理療法としても使われています。

 mindfulの使い方の例は“We should be more mindful of environmental effects of plastic products.”「我々はもっとプラスチック製品の環境への影響に留意するべきだ」や、“Being mindful of racial diversity is extremely important in any business.”「人種の多様性を意識することはどのビジネスにおいても非常に重要だ」などです。

 では練習問題です。(答えは下)

1.日本語に訳すと?

“The Prime Minister should always be mindful of the voice of the people.”

2.mindfulを使って英語で言うと?

「為替変動のリスクを忘れないようにしてください。」

加藤友朗(かとうともあき)
コロンビア大学医学部外科教授。東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後渡米。世界初の多臓器摘出体外腫瘍切除手術を成功させ、ニューヨークのトップドクターとして世界中から集まる患者の命を救う。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)が発売中。

週刊新潮 2021年9月30日号掲載

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