正月気分を楽しむ「新年列車」 元日に新型列車デビュー、高校生がデザインした“寅年”ヘッドマークも
小田急電鉄
元日の終夜運転でもっとも華やかなのは、小田急電鉄である。その象徴と言えるのが臨時特急ロマンスカーだ。
1968年の大晦日より〈初詣〉という列車愛称を引っ提げて、新宿―片瀬江ノ島間で運転された。明治神宮や鶴岡八幡宮への参拝客、江ノ島海岸での初日の出を眺める人々などに親しまれた。その後、町田―小田原間、多摩線唐木田始発の列車も運転されたという。
2002年元日(以下の年はすべて元日)から〈ニューイヤーエクスプレス〉に改称され、おもに新宿―片瀬江ノ島間で運転されている。普段は箱根湯本へ向かう展望室つきの車両が江ノ島線に直通することもあり、好評を博している。
2021年は残念ながら中止となったが、2022年は下り1本のみ運転。しかも、2022年3月12日のダイヤ改正で定期運行撤退が発表された50000形VSEで運転される。
もうひとつ、元日の風物詩だったのが営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線直通の臨時急行〈初詣&初日の出号〉で、1991年に登場した。当初、上りは海老名―綾瀬間、下りは綾瀬―伊勢原・片瀬江ノ島間にて運転された。
車両は1000形の10両分割編成(6両車+4両車で組成)が使用され、下りの伊勢原行きは6両車、片瀬江ノ島行きは4両車に分け、相模大野で分割した。1993年より下りの伊勢原行きは4両車、片瀬江ノ島行きは6両車に変更、1999年より下りは片瀬江ノ島行きに一本化された。
2008年から上りは唐木田―綾瀬間の〈初詣号〉、下りは綾瀬―片瀬江ノ島間の〈初日の出号〉として運転されたが、2010年から臨時特急ロマンスカー〈メトロニューイヤー〉に衣替え。運転区間も下りの北千住―片瀬江ノ島間のみになった。現時点で2020年が最後の運転となっており、2023年の運転再開が待たれる。
京成電鉄
〈シティライナー〉は2010年7月17日、〈スカイライナー〉の旧ルートを引き継ぐカタチでデビュー。京成上野―京成成田・成田空港間を結んだ。当時、定期列車はAE100形で運転された。
〈シティライナー〉として最初の年末年始を迎えるにあたり、大晦日の下り臨時列車(京成成田行き)、元日の上り臨時列車(京成上野行き)は、看板車両(エース)の座に就いた2代目AE形で運転され、成田山新勝寺への参拝客に対応した。
2015年12月5日のダイヤ改正で、〈シティライナー〉の定期運行が終了すると、大晦日と1月のみの運転に縮小。さらに2016年大晦日から〈シティライナー(成田山開運号)〉と銘打ち、2代目AE形にヘッドマークを掲出。以降、2020年度を除く年末年始の風物詩として定着している。
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