吉田潮が選ぶ「2021年ドラマ」ベスト&ワースト10 躍進した俳優は?
今年のドラマを振り返る。マイベスト10は「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジ)、「俺の家の話」(TBS)、「ナイルパーチの女子会」(BSテレ東)、「FM999」(WOWOW)、「きれいのくに」(NHK)、「その女、ジルバ」(フジ)、「うきわ」(テレ東)、「半径5メートル」(NHK)、「SUPER RICH」(フジ)、「今ここにある危機とぼくの好感度について」(NHK)。基準は笑えて泣けて驚かされて、社会や世間に対する問題提起があったかどうか。
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で、マイワースト10は「にじいろカルテ」(テレ朝)、「#家族募集します」(TBS)、「ネメシス」(日テレ)、「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日テレ)、「日本沈没」(TBS)、「プロミス・シンデレラ」(TBS)、「レンアイ漫画家」(フジ)、「恋はDeepに」(日テレ)、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(NHK)、「漂着者」(テレ朝)。前半5作はぬるさや盛り過ぎ、ご都合主義が気になり、後半5作は終わり方が雑だった。でも切り口や設定には新奇性もあり、期待したからこその失望。最後まで観たので吸引力はある。最近は初回で視聴断念する作品も増えたからな。
ドラマの数が増えた割に、原稿に書けるのは一部のみ。タイミングを逸してどこにも書けなかったお蔵入りも。最後なので蔵出ししちゃえ。
「ただ離婚してないだけ」(テレ東)は、恐怖と罪悪感から狂気・強気・健気に変貌する中村ゆりの怪演が見もの。ゆりに拉致監禁されるオムツ姿の深水元基もね。観ている私がオムツ欲しくなる展開だった(失禁必至)。
「直ちゃんは小学三年生」(テレ東)と「古見さんは、コミュ症です。」(NHK)は、大の大人が小学生や高校生を演じる妙が共通。大人が子供を演じるのは苦手だが、確信犯で腑に落ちた。
「カラフラブル」(日テレ)は、ジェンダーレスをテーマに吉川愛と板垣李光人(りひと)の恋模様を描いた意欲作。中盤で中だるみしたものの、愛と李光人からは目が離せず。というか、その陰でふざけている桐山漣のGACKT感がなんか可笑しくて。
桐山といえば「青きヴァンパイアの悩み」(MX)も触れておかねば。吸血鬼もコロナ禍で大変っつう設定。ゆうたろうと生き延びる策を練りつつ、人助けしたりして。6・7話では落語家の瀧川鯉八も登場。案外適役&ハマり役で驚いたわ。
「武士スタント逢坂くん!」(日テレ)は褌姿の濱田崇裕が常にぬらぬらして笑えたし、「東京放置食堂」(テレ東)は、片桐はいりと工藤綾乃が大島の水と空気と風を運んでくれた。書いている今、北村有起哉主演の「ムショぼけ」にハマって大変。今更。配信で。
総まとめは今年ドラマで活躍した人を。江口のりこの躍進を心から祝うし、倉科カナの暗躍(ヒロインが好きな男にもれなく付いてくる厄介な女)も愛でた。小関裕太(9作)と田村健太郎(8作)の頻出、杉野遥亮の台頭(9作)も見守った。そうそう、津田寛治が死にかけた挙句、やっと羽田美智子と結婚したのも見届けたし(テレ朝「特捜9」の話だ)。来年は前原滉に期待しとく。