流行り病と酔っぱらいが世界を動かす

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 ここ1年半の将棋界はほとんど機能停止の状態であった。プロの公式戦こそ行われたが、それだけだった。細々とオンラインでファンサービスが行われるのみであった。なにせ不要不急の最たるものである。ファンに夢を売るという大義はあるものの、所詮世の中にあってもなくてもいいものなのだ。飲食、観光、運輸の次にしんどかったのは娯楽産業であろう。

 コロナは凄かった。人は皆病気が恐い。だから流行り病は時として世界を変える力を持った。

 ジェニファー・ライト(鈴木涼子訳)『世界史を変えた13の病』(原書房、2018)は天然痘、ペストなどの強力な病気が、いかに世界の歴史に影響を与えたかを細かく書いた本である。...

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