今年の「大みそか夜の番組」は期待薄 業界通は「中でもTBSが敵前逃亡」と指摘
「笑う大晦日」に期待の声
「紅白も同じですが、『大晦日は日テレ』という視聴習慣が追い風になる可能性はあるでしょう。24時間テレビや箱根駅伝、歌番組など、日テレはお祭り番組を作るのが上手です。『笑う大晦日』も、どのように盛り上げれば視聴者が見てくれるのか、ノウハウは熟知しているはずです」(同・スタッフ)
テレビ業界では「ビデオリサーチの関東地区、リアルタイムの世帯視聴率は15%くらいに達するかもしれない」と予測する声もあるという。
「どういう番組になるのか、現時点ではよく分かりません。公式サイトも情報を抑えていて、ネタ見せのコーナーがあることと、芸人によるドラマが放送されることくらいしか書いていません。内容によっては視聴率が上下するでしょうし、最近は視聴者の日テレ離れが進んでいると指摘する関係者もいます。番組の内容が良かったにしても、15%は無理という見方もあります」(同・スタッフ)
日テレと激しく三冠王争いを繰り広げているテレビ朝日は、2019年から続けている「ザワつく!大晦日」を今年も放送する。
フジとテレ東の“勝負番組”
もちろん出演するのは、石原良純(59)、長嶋一茂(55)、高嶋ちさ子(53)の3人。放送は18時からスタートする予定だ。
「昨年の19時から21時までの視聴率を見てみると、『ザワつく!大晦日』が8・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)で、日テレの17・6%に続いて民放2位でした。ライバルの『笑ってはいけないシリーズ』が休止になったので今年は2桁、あるいは『笑う大晦日』を抜いて民放1位を目指すと気合いが入っています」(同・スタッフ)
「忘れてもらっては困る」と存在感を発揮しているのがフジテレビとテレビ東京だ。前者は18時から23時45分まで、「大晦日はRIZIN」を放送する。格闘技ファンの支持を取り付ける構想なのだろう。
「フジのRIZINは昨年、20時から22時30分までの間で、世帯視聴率が7・3%を記録しました。日テレやテレ朝と互角に戦えるだけのポテンシャルはあると思います。テレ東の『年忘れにっぽんの歌』も侮れません。昨年は7・4%を記録しました。紅白の若者向け路線を忌避した高齢視聴者が流れ込んでくることも考えられます。更に『孤独のグルメ』は昨年、4・1%を記録しましたが、今年は更なる視聴率の上昇が期待されています」(同・スタッフ)
「SASUKE」が放送されない理由
と、各局が臨戦態勢になっているのだが、ただ1局、TBSだけがどうも気合いが入っていない。率直に言って敵前逃亡という印象なのだ。
TBSは18時30分から「WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ『井岡一翔×福永亮次』」を中継し、19時40分から「THE鬼タイジ大晦日決戦in鬼ヶ島★鬼120体vs人間!史上最大の究極サバイバル」を放送する。
「なぜ『SASUKE』ではないのか、という視聴者の方も少なくないでしょう。テレビ業界でも同じ声が出ています。ところが『SASUKE』に詳しいスタッフなら熟知していますが、2019年の大晦日に放送すると、前半が4・0%、ファイナルステージが5・0%と大惨敗してしまったのです」(同・スタッフ)
「SASUKE」はTBSにとっては看板番組の1つだ。あまり視聴率が低いと、番組に泥を塗ってしまうことになるという。
「それを恐れたTBSは昨年、12月29日に『SASUKE』を放送しました。結果は9・7%と視聴率が回復したのです。今年も12月28日に放送されました」(同・スタッフ)
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