今年の紅白総合司会は実力派「和久田麻由子アナ」 それでも“やらかし系”を望む声
紅白に求められるもの
「報道なら和久田アナで言うことはありません。落ち着いた声と的確な表現は完璧と言っていいでしょう。ところが、紅白は大晦日のお祭りです。視聴者だって大いなる娯楽とハプニングを求めています。過去の紅白だって“やらかし系”のほうが記憶に残っていますから」
紅白のハプニングと言えば、84年の“ミソラ事件”が名高い。この年、引退を表明した都はるみのラストステージが紅白大トリとなり、紅白史上初のアンコールが行われた。NHKホールが興奮に包まれる中、総合司会の生方惠一アナはこう言った。
「もっともっとたくさんの拍手を! ミソラ……」
慌てて、言い直したものの、よりによってライバルと言われたこともある美空ひばりと言い間違えてしまい、アンコールの余韻も吹き飛ばすこととなった。
「この年の紅白の視聴率は、平均78.1%と驚異的な記録を残しました(ビデオリサーチ社調べ、関東地区、世帯:以下同)。86年に白組キャプテンを務めた加山雄三は、白組トップバッターの少年隊『仮面舞踏会』を“仮面ライダー!”と紹介したこともありました。06年にはDJ OZMAのバックダンサーの衣装が裸に見えると問題になったこともありましたが、これらも高視聴率を上げています。お祭りなんですから、むしろ少しくらい言い間違えやハプニングがあったほうがいいんですよ」
紅白では桑子アナ勝利
桑子アナといえば18年の紅白で、白組が優勝したにもかかわらず「紅組に優勝旗が手渡されます」とやったこともある。
「彼女たちの大先輩である有働由美子アナ(52)は、12年から15年まで4年連続で紅白の総合司会を務めました。紅白はソツなくこなしたものの、レギュラー番組の『あさイチ』では脇汗事件やトイレピュー発言など、“紅白でも何かしでかすのでは”という期待を持たせました。やらかしアナのほうが視聴者に親近感を持たれます」
実際、桑子アナ、和久田アナの紅白を比べてみると、
▼18年(桑子アナ)前半37.7%、後半41.5%
▼19年(和久田アナ)前半34.7%、後半37.3%
▼20年(桑子アナ)前半34.2%、後半40.3%
和久田アナが総合司会を務めた19年は、後半で40%に達しなかったばかりか、意外にも紅白史上最低の視聴率だったのだ。
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