辛口コラムニストが選ぶ2021年「連ドラ」ベスト3 1、2位は冒険と実験が山盛りの良作

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ベスト第2位

アナ:では、2021年連ドラベスト3、第2位の発表をお願いします!

林:第2位に選んだのは……

●「俺の家の話」(1月期/TBS系/金曜ドラマ/9・3%)!

アナ:おお、これは確かに創作系の板前割烹かもしれません! 大将は脚本の宮藤官九郎さんで。

林:そうでしょ、海老が刺身で出てきた後、その味噌が後で地鶏の笹身の焼き物のソースに使われてるようなお店。ドラマとして、腹の立たないあざとさというか、これみよがしでないケレン味というか、そういうクドカンの技が堪能できる作品でした。

アナ:主演の長瀬智也さんにとっては芸能界引退直前の最後のドラマにもなりましたし、共演が戸田恵梨香さん、脚本が宮藤さんと、林さん好みのキャスト・スタッフが揃っているし、その割に視聴率は伸びなかったしと、語れることの多い作品なので、林さんなら1位に推してこられるんじゃないかと読んでいましたよ。

林:いやぁ、実のところ悩んだのよ、コレとアレのどっちをトップに持ってくるかは。

アナ:あ、アレというのはアレですね、以前、激賞されていた……

林:ええい、もう1位も一緒に発表しちゃうか。

アナ:ええ?

ベスト第1位は

林:2021年の連ドラベスト、第1位は、

●「大豆田とわ子と三人の元夫」(4月期/フジ系・関テレ制作/火9ドラマ/6・1%)

……ですよ、アナタの予想どおり!

アナ:やっぱり。上半期期のドラマ評をお願いしたとき、1月期の「俺の家の話」と「にじいろカルテ」(テレ朝系/木曜ドラマ/11・0%)や4月期の「コントが始まる」(日テレ系/土曜ドラマ/7・6%)と一緒に取り上げて、ひょっとしたらニッポンの連ドラにルネサンスがやってきたのかもしれないとまでおっしゃっていましたからね。

林:正確には、「髭男爵の2人に混じって一緒に3人で『ルネサ~ンス!』と乾杯したいくらい」と言っただけで、実際、連ドラのルネサンスはニッポンにはまだ来なかったんだけれど、まぁ、確かに今年の前半はエエもん見してもらいました感はあったね、久々に。

アナ:その中で「大豆田とわ子」と「俺の家の話」の2本を年間ベストの第1位・第2位に選んだのはなぜですか?

林:飲食店アナロジーで言うと、「俺の家の話」が創作系の板前割烹なら、「大豆田」は創作系のブラッセリーで、やっぱり旨さだけじゃなく、あざとさやケレン味までを楽しませてくれる稀少なお店だったから……ということに尽きるかな。

アナ:うんうん。

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