辛口コラムニストが選ぶ2021年「連ドラ」ワースト3 2位「レンアイ漫画家」、1位は意外な高視聴率作品

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 年末恒例、辛口コラムニストの林操氏による、2021年の連続ドラマ総括。ベスト&ワーストのまずはワースト3……。なんでも今年は駄作の豊作だったとか。

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アナ:この1年の連続ドラマのベスト&ワースト発表の季節が今年もやってきました。選出は非国民生活センター・TV主席研究員の林操さんです。

林:はい、年末恒例“ワーストはボロクソ、ベストも褒め殺し”とギョーカイ内では悪評紛々不評惨憺の大コキおろし大会です。

アナ:いや、前回はそうでもなかったじゃないですか。2020年末の連ドラ総まくりは、林さんのドラマ評がなんだか優しかったり、ベスト&ワースト両方の1位が作品ではなくドラマがらみの現実だったり(ベスト1が「戸田恵梨香と松坂桃李の結婚」、ワースト1が「伊藤健太郎事件」)と、いろいろ異例でした。さぁ、今年はいかがでしょう。

林:コロナ禍も2年目、ドラマギョーカイはだいぶ復旧してきたかね。

アナ:新作の制作が滞ることはたまにありましたが、それが続いて旧作の再放送で穴を埋めるといった事態までは起きませんでした。

林:ただ、あくまでも復旧であって、復興ではなかったなぁ。制作費も視聴率も右肩下がりという状況はコロナ前からあって、コロナ初年度の異常事態を経て、また以前の下落基調に戻りました、旧に復しましたというだけの話なので。

ワースト第3位

アナ:なるほど。では、民放プライム帯(夜7~11時)の連ドラ年間番付、2021年はベストとワースト、どちらから発表を始めましょうか。

林:やっぱりワーストからかな。去年はギョーカイが青息吐息の虫の息、とても本気でワーストを貶し倒す気になれなくて不完全燃焼だったから、今年はきっちり駄目なモノには駄目出しをして、すっきり年を越したいのよ。今年の汚れ、今年のうちに。

アナ:本当に去年は、林さんの舌鋒が鈍りすぎ、優しすぎで、具合でも悪いんじゃないかと心配したくらいでしたからね。まぁ、それくらいのほうがこちらとしてはありがたいんですが……。では、2021年連ドラワースト第3位の発表から参りましょう。

林:レーワ3年の連ドラ、ワースト第3位は……

●「青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―」(1月期/フジ系・関テレ制作/火9ドラマ/平均世帯視聴率8・6%[ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同])

●「知ってるワイフ」(1月期/フジ系・共同テレビ制作/木曜劇場/7・5%)

●「君と世界が終わる日に」(1月期/日テレ系・Hulu共同制作/日曜ドラマ/7・8%)

●「彼女はキレイだった」(7月期/フジ系・関テレ制作/火9ドラマ/7・0%)

●「ボクの殺意が恋をした」(7月期/日テレ系・読売テレビ制作/日曜ドラマ/5・3%)

……の5本です。

これでも減らした

アナ:ワースト第3位が5本! 2019年のワースト1位にまとめて7本を挙げていただいて以来の多さですね。

林:駄作の豊作。今年も不味い米がたくさん穫れました!……という悲惨。

アナ:……。

林:実は6本選んでいたんだけれど、6本目は泣く泣く外したのよ、10月期の「真犯人フラグ」(日テレ系・日曜ドラマ)。来年3月までの2クール放送予定で未完だから。

アナ:そうでしたか。では、ワースト第3位に5本を選ばれた理由は?

林:大きなものは3つあります。

▼主演の役者(あるいは役者未満の何か)の選ばれた理由が所属事務所の押しの強さしか思い浮かばなかった(「ワイフ」「君と世界」「キレイ」「殺意が恋」)
▼海外ドラマの安手なリメイクだった(「ワイフ」「キレイ」)
▼そもそも本気でイイもん作る気があったのか大いに疑問だった(5本すべて)
……ワタシがトルストイだったらこう言うね、「上出来なドラマはそれぞれに上出来だが、不出来なドラマはどれも似たものだ」。

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