妻の不倫を疑い、尾行した夫 トイレで着替え“別人”になった彼女が向かった想定外の場所は
まさか妻が浮気…?
残業だから遅くなると告げた日、夜、家に電話をしてみると娘が出た。「ママは今日、遅いって」と娘が言う。やはり何かあるのだ、もしかしたら妻が浮気をしているのかもしれない。水を向けても妻は話さないだろう。弘樹さんは考え抜いたあげく、妻のパート先を張った。
「初日はまっすぐ帰っていました。ところが翌日、妻はパート先から出てきて、家とは反対にある最寄り駅方向へ自転車を走らせたんです。僕は必死で走ってあとを追いました。途中で見失ったけど、これは駅に行くに違いないと思った。そうしたら改札で妻を発見。妻は改札を入ったあと都心へ行く電車に乗りました」
バレないように顔を隠しながら尾行した。妻が降り立ったのは都内のターミナル駅。そこで妻はトイレに入ってしばらく出てこなかった。出てきた妻を見て弘樹さんはびっくりしたという。濃い化粧に派手なワンピースを着た彼女が、自分の妻だと一瞬、判断できなかったからだ。
「浮気しているんだと確信したのと同時に、きれいだなとも思いました。妻が他人に見えた。いや、そんなことをしている場合じゃない、とにかく後を追わなければ、とさらに追跡しました」
荷物をロッカーに預けて妻が向かった先は、繁華街のライブハウスだ。ここで密会なのかと彼が怪しんでいると、続々と若い女性たちが入っていく。チケットを売っている男性に聞いて初めて「男性ユニットの地下アイドルのライブ」と知った。
なんだ、そういうことか。そんな趣味が妻にあったとは思わなかったが、そのくらいならいいだろうと踵を返そうとしたとき、女性同士の会話が聞こえた。
「今月、10万も使っちゃったよ。私なんて15万近いよ。ヤバいね、キャバクラ行くしかないかなと。思わずその女性たちに、『そんなにアイドルにお金を使ってるの?』と尋ねちゃいました。ふたりは怪訝な顔をしていましたが、『いや、実は娘がこのアイドルにはまっていて、お小遣いが足りないみたいで』ととっさに言ったら、『チェキ券とかもあるしね』って。アイドルとツーショットで写真が撮れるチケットだそうです。チケットは数千円だけど、中には高価なものをプレゼントする女性もいるとか。『若い子がはまるとヤバいと思う』と女性たちが教えてくれました」
若い子だけではない、主婦がはまるともっとヤバいだろと弘樹さんは内心、ツッコミを入れていたという。
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