カムイ伝の「白土三平さん」 納得できなければ描かない、自分にも厳しい人だった【2021年墓碑銘】
学生運動家に語り継がれた言葉
「忍者武芸帳」、カムイ伝シリーズなど不朽の名作を世に送り出した白土三平さん。自然の観察力にも長け、膨大な資料を読み込んで作品を描いた。研究熱心で博学だったという白土さんを偲ぶ。
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白土三平さん(本名・岡本登)が、1959年から62年にかけて描いた「忍者武芸帳」は、読者の心を揺さぶり、当時の社会にも大きな影響を与えた漫画だ。
舞台は戦国時代。農民一揆を指導する忍者・影丸が主人公で、仇討ち、大名の覇権争い、忍者の世界などが複雑に織り成す壮大な物語である。...